保険

【2026年版】犬種別のかかりやすい病気とペット保険|統計の読み方

犬種別のかかりやすい病気の表は、病院のカルテではなく保険金の請求記録です。アニコムの白書とアイペットの公表データを使って、請求割合・オッズ比・診療費の中央値という3つの数字の読み分け方と、重要事項説明書で確認する箇所をまとめました。

この記事には広告(アフィリエイトリンク)が含まれます。 リンク経由で購入や申し込みがあった場合、当サイトに報酬が入ることがあります。 紹介する順番や評価は報酬額では決めていません。

【2026年版】犬種別のかかりやすい病気とペット保険|統計の読み方

「チワワは心臓が弱いらしい」「フレブルは呼吸が」。犬を迎えると、どこからともなくこういう話が流れてきますよね。で、調べると出てくるのが犬種別の疾患データ。数字が並んでいるぶん説得力はあるのですが、あれ、読み方を間違えるとけっこう変な結論になります。

結論: 犬種別の疾患データは「保険金が請求された記録」で、病気の発生率そのものではありません。読む順番を決めると迷わなくなります。

  • 最初に見る → 請求割合(うちの犬種で何%の子が請求しているか)
  • 次に見る → 年間診療費の「中央値」と「平均値」の差
  • 最後に見る → 重要事項説明書の不担保・待機期間・更新条件

数字そのものより、この順番のほうが大事です。順に見ていきます。

この記事の目次
  1. その「かかりやすい病気」、どこから出てきた数字? 🐾
  2. オッズ比21.89に驚く前に、見てほしい数字
  3. 平均8万円、中央値1.2万円。保険はどっちに備える? 💰
  4. 保険料は犬種じゃなく「体格」で決まることが多い
  5. 契約前、重要事項説明書のどこを開くか 📋
  6. この記事のまとめと、次にやること
  7. よくある質問
  8. 次に読むなら

その「かかりやすい病気」、どこから出てきた数字? 🐾

出どころはほぼ2社です。アニコム損保の『家庭どうぶつ白書』と、アイペット損保の請求傷病の公表データ。どちらも元データは保険金の請求記録で、カルテを集めたものではありません。

アニコム ホールディングス「家庭どうぶつ白書(年版別PDF一覧)」
アニコム ホールディングス「家庭どうぶつ白書(年版別PDF一覧)」(anicom-page.com・2026-10-12時点の画面)

白書2025の調査期間は2008年4月1日〜2024年3月31日。年間450万件超の請求情報がベースだとアニコムは説明しています。規模は国内では群を抜いています。

ただ、この作り方だと最初からこぼれるものがあります。

動物病院で治療 診療明細書が出る 飼い主が請求 保険会社に提出 支払データ化 傷病名で分類 犬種別の統計 請求割合・オッズ比 この流れに入っていないもの 保険に入っていない犬の病気(データとして存在しない) 様子を見て病院に行かなかった症状 補償対象外だと分かっていて請求しなかった治療

つまりこの数字は「動物病院にかかって、かつ請求された病気の分布」です。病気の発生率とは別物。ここを押さえておくと、次の話が一気に読みやすくなります。

オッズ比21.89に驚く前に、見てほしい数字

白書の犬種ページには「他犬種に比べ罹りやすい疾患」という表があって、オッズ比という列が付いています。他の犬種と比べて何倍出やすいか、という指標です。

一番派手なのがフレンチ・ブルドッグの軟口蓋過長症。オッズ比21.89。ところが同じ行の請求割合を見ると1.0%です。

フレンチ・ブルドッグ(対象14,832頭) オッズ比 請求割合 軟口蓋過長症 21.89倍 1.0% 膿皮症・ 細菌性皮膚炎 3.91倍 16.5% 倍率が高い=よく起きる、ではない。お財布に効くのは「割合が大きいほう」

オッズ比は「他の犬種に比べて珍しいかどうか」の指標で、頻度の指標ではありません。軟口蓋過長症は犬全体だと0.1%しかないので、1.0%でも21.89倍になる。一方、膿皮症は3.91倍と地味な数字ですが、6頭に1頭が請求しています。

個人的には、保険を考えるときはオッズ比より請求割合を先に見るほうが実用的だと思います。理由は単純で、保険料を上回る支払いが起きるかどうかは「何回請求するか」で決まるからです。珍しさは支払いに直結しません。

主な犬種の数字を並べるとこうなります。白書2025の品種別ページから、皮膚疾患の請求割合と、オッズ比が最大の傷病を抜き出しました。

犬種 対象頭数 皮膚疾患の請求割合 オッズ比が最大の傷病
トイ・プードル 162,442 22.3% 糖尿病 3.23
チワワ 111,386 16.2% 弁膜症 3.50
柴 58,364 33.3% 緑内障 3.73
ミニチュア・ダックスフンド 46,144 22.3% 椎間板ヘルニア 4.13
ポメラニアン 33,594 18.2% 気管虚脱 5.84
ミニチュア・シュナウザー 24,541 30.2% 高脂血症 3.42
ヨークシャー・テリア 18,359 26.6% 十字靭帯損傷・断裂 3.10
フレンチ・ブルドッグ 14,832 51.9% 軟口蓋過長症 21.89
マルチーズ 14,041 28.0% 流涙症 3.21
シー・ズー 13,155 42.6% 睫毛の疾患 13.94

← 表は横にスクロールできます →

犬全体の皮膚疾患の請求割合は25%前後です。フレンチ・ブルドッグとシー・ズーが頭ひとつ抜けているのが分かります。

ちなみにアイペットの公表データ(2024年1月〜12月の支払分)でも、犬の通院でいちばん多かった傷病は皮膚炎でした。手術では腫瘍、前十字靭帯断裂、膝蓋骨脱臼が上位に並んでいます。犬種を問わず、皮膚と関節は通る道、という感じです。

平均8万円、中央値1.2万円。保険はどっちに備える? 💰

白書のいいところは、傷病ごとに年間診療費の平均値と中央値が両方載っている点です。この2つ、だいぶ離れます。

トイ・プードルの膝蓋骨(亜)脱臼を例にすると、平均値80,828円に対して中央値12,430円。6倍以上の開きがあります。

トイ・プードルの膝蓋骨(亜)脱臼:年間診療費のイメージ 中央値 12,430円 半分の子はこの金額以下 平均値 80,828円 右端の高額例に引っ張られる 安い 高い 保険が効いてくるのは、この右端(手術・入院に至った年)です

中央値12,430円ということは、半分の子は年間1万円ちょっとで済んでいるわけです。そのレベルなら貯金で足ります。問題は右端。手術まで行った年に数十万円が飛びます。

実際、FPCの重要事項説明書には支払い例として、トイ・プードル5歳の膝蓋骨脱臼で通院5日・入院7日・手術1回、治療費合計467,200円というケースが載っています。麻酔・手術料だけで367,000円。中央値の約37倍です。

平均値だけ載せている資料は、正直あまり親切じゃないと思いました。平均は「起きたときの怖さ」と「ふだんの出費」を混ぜてしまうので、どちらの判断にも使いにくい。中央値と平均値を並べてくれる白書は、この点ではかなり良心的です。

犬種ごとに高額になりやすい傷病を抜き出すとこうなります。

犬種・傷病 年間診療費の中央値 平均値
トイ・プードル/糖尿病 175,303円 222,394円
柴/緑内障 105,930円 165,770円
チワワ/弁膜症 86,284円 149,477円
ミニチュア・ダックスフンド/椎間板ヘルニア 22,550円 120,503円
ポメラニアン/骨折(前肢) 168,771円 233,484円

← 表は横にスクロールできます →

糖尿病や弁膜症は中央値そのものが高い。椎間板ヘルニアは中央値が低いのに平均が跳ねる。前者は「続く病気」、後者は「当たると重い病気」です。性格がまるで違います。

保険料は犬種じゃなく「体格」で決まることが多い

ここ、分かりにくいところです。犬種別に病気の傾向が違うなら保険料も犬種別かというと、そうでもない。多くの商品は小型犬・中型犬・大型犬の区分で決めています。

FPCの「ペットほけんフィット」の料金表を見ると、柴犬とフレンチ・ブルドッグは中型犬、トイ・プードルとチワワは小型犬の扱いでした。

50%補償プラン・月払いの保険料(FPCペットほけんフィット) 小型犬 トイ・プードル/チワワ 1,210円 4歳以下 12歳以上は5,020円 中型犬 柴/フレンチ・ブルドッグ 1,800円 4歳以下 12歳以上は6,230円 大型犬 ゴールデン/ラブラドール 2,280円 4歳以下 12歳以上は9,290円 ミックス犬は生後8か月以上なら体重で判定(小型は8kg未満、大型は25kg以上) 同じ区分なら、病気の傾向が違っても保険料は同じ

同じ中型犬でも、柴は皮膚、フレンチ・ブルドッグは呼吸器と皮膚、とリスクの出方は違います。でも保険料は同じ。ここが犬種別統計と保険料の非対称なところで、だからこそ「うちの子の犬種で何が出やすいか」は保険料ではなく補償内容の側で確認する必要があります。

FPCの料金表は犬種名がそのまま列挙されていて、自分の子がどの区分か一目で分かります。これは地味に助かる作りだと思いました。各社の料金や区分は改定されるので、最新は公式サイトで確認してください。

年齢による上がり方も見ておきたいところ。小型犬の50%プランなら4歳以下1,210円が12歳以上で5,020円、大型犬は2,280円が9,290円です。シニアになってからの負担を先に知っておくと、途中で解約する失敗が減ります。

契約前、重要事項説明書のどこを開くか 📋

犬種ごとの弱点が分かったら、次はその傷病が補償されるかどうか。読む箇所は4つで足ります。

ペットメディカルサポート(PS保険)「ペット保険(犬・猫)の適用範囲と補償の対象外となる場合について」
ペットメディカルサポート(PS保険)「ペット保険(犬・猫)の適用範囲と補償の対象外となる場合について」(pshoken.co.jp・2026-10-12時点の画面)
1 待機期間 補償開始まで何日か この間の発症は翌年 以降も対象外のことも 2 補償対象外 先天性・遺伝性の扱い 始期日前からの傷病 予防目的の処置 3 更新の条件 終身か、年齢上限か 更新時に特定傷病が 不担保になる場合 4 支払限度 年間の上限額 回数・日額の制限 免責金額の有無 会社の種類もここで分かります 損害保険会社=金融庁の免許制/保険契約者保護機構あり 少額短期保険業者=財務局の登録制/保護機構なし・供託金で対応 少短は保険期間が最長2年(損害保険の場合)、年間収受保険料50億円以下という制限もあります

2番がいちばん犬種と関係します。PS保険の公式ページには、獣医師によってすでに発見されている先天性疾患や治療中のケガ・病気は補償されない一方、膝蓋骨脱臼(パテラ)は補償対象に含まれる、という記載がありました。会社によって扱いが変わる部分なので、ダックスなら椎間板ヘルニア、フレンチ・ブルドッグなら軟口蓋過長症、と具体名で探すのが早いです。

待機期間もばらつきます。FPCは待機期間(免責期間)なしと明記していて、クレジットカード払いなら申込受付日から最短21日後に補償開始。一方、初年度に待機期間を設ける商品もあります。

PS保険の公式サイトに載っている契約者の声には、40代男性・2歳の小型犬の方が「パテラ等の補償もしっかりカバーできている」と書いていました。保険選びの軸として、犬種の弱点を名指しで確認している人は実際にいます。

i保険が掲載している加入者の体験談には、7歳のトイ・プードルについて「旅行先で、普段ならば絶対に降りることのない高さのソファーの背もたれから(中略)両前脚、撓尺骨を骨折させてしまいました」という投稿もありました。統計で見ると骨折は請求割合0.9%ですが、起きた家にとっては100%です。

なお、特定の傷病が治療中の場合でも申込み自体は可能で、引受審査の結果として特定の傷病を不担保にした契約になることがある、とFPCの重要事項説明書には書かれています。気になる症状がすでにある場合は、申込み前にかかりつけの獣医師に状態を確認してもらうのが確実です。

この記事のまとめと、次にやること

見る順番 何を見るか 判断に使うこと
1 請求割合 うちの犬種で出やすい大分類を2つ把握する
2 オッズ比 他犬種より珍しいか。頻度の指標ではない
3 診療費の中央値 ふだんの出費。貯金で足りるかの目安
4 診療費の平均値 当たったときの重さ。保険で備える範囲
5 重要事項説明書 その傷病が不担保になっていないか

← 表は横にスクロールできます →

今日やることを1つだけ挙げるなら、家庭どうぶつ白書から第2部第2章のPDFを開いて、うちの子の犬種ページをスクリーンショットしておくこと。全部読もうとすると挫折しますが、1ページだけなら3分で終わります。保険の資料を見るときに、そのスクショと並べるだけで判断がかなり楽になります。

よくある質問

Q. ミックス犬のデータはありますか? あります。白書2025には「混血犬(体重10kg未満)」の項目があり、対象102,648頭。皮膚疾患22.3%、消化器疾患24.7%で、他犬種に比べ目立つのはケンネルコフ(オッズ比2.16)でした。保険料の区分は、FPCの場合は生後8か月以上なら体重で判定されます。

Q. 統計で「かかりやすい」とされた病気は、うちの子も必ずなりますか? いいえ。請求割合は集団の比率で、個体の予測ではありません。フレンチ・ブルドッグの皮膚疾患51.9%は「2頭に1頭くらいが請求している」という意味で、裏を返せば半分近くは請求していません。気になる兆候があるときは、統計ではなく獣医師に相談してください。

Q. 少額短期保険だと、何か不利になりますか? 財務省近畿財務局の説明によると、少額短期保険業者は財務局への登録制で、保険契約者保護機構の対象外です。代わりに保証金の供託が義務づけられています。保険期間も損害保険で最長2年という制限があります。商品の中身とは別の論点なので、補償内容と合わせて自分で重みづけする部分です。

次に読むなら

こんな人 この記事
各社を横並びで見たい 下の比較記事
シニア期の費用を先に知りたい 下のシニア犬フードの記事

← 表は横にスクロールできます →

調べたもと(出典 10件)
  1. アニコム家庭どうぶつ白書2025 第2部第2章 品種別の統計(犬)アニコム ホールディングス・確認日 2026-10-04
  2. 家庭どうぶつ白書(年版別PDF一覧)アニコム ホールディングス・確認日 2026-10-04
  3. ペット保険のビッグデータを活用『アニコム 家庭どうぶつ白書2025』発行アニコム ホールディングス・確認日 2026-10-04
  4. 保険金請求が多いペットの傷病ランキング2025アイペット損害保険・確認日 2026-10-04
  5. 保険金請求が多いペットの傷病ランキング2025(リリース全文)第一ペット少額短期保険/アイペット損害保険・確認日 2026-10-04
  6. ペットほけんフィット パンフレット兼重要事項説明書【2024】P-fit-10-01FPC(ペット&ファミリー少額短期保険)・確認日 2026-10-04
  7. 少額短期保険業について財務省 近畿財務局・確認日 2026-10-04
  8. ペット保険(犬・猫)の適用範囲と補償の対象外となる場合についてペットメディカルサポート(PS保険)・確認日 2026-10-04
  9. ペット保険「PS保険」の口コミ・評判 Vol.26(ご契約者の声)ペットメディカルサポート(PS保険)・確認日 2026-10-04
  10. 犬のペット保険の口コミ・評判|実際の加入者の声と体験談i保険(アイ・エフ・クリエイト)・確認日 2026-10-04

価格や条件は変わることがあります。購入前に各公式ページで、体のことはかかりつけの獣医師にご確認ください。 調べ方と広告の扱いは運営者情報・編集方針に書いています。

同じカテゴリの記事