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多頭飼いのドッグフードは1種類でいい?|オールステージ表示の意味
年齢の違う犬を一緒に飼っていると、フードを分けるか迷いますよね。袋の「全成長段階(オールステージ)」が何の基準を満たした表示なのかを公的資料で確認し、1種類にまとめられる条件と、量の決め方・盗み食い対策までまとめました。

2頭目を迎えた日の夜、フードの袋を2つ並べて「これ、毎回分けるの?」と固まる。多頭飼いの最初の壁って、だいたいここです。
結論: 年齢が違っても、フードを1種類にまとめられるケースはあります。決め手は「袋に書かれた成長段階」と「1頭ずつの量」の2つです。
- 子犬と健康な成犬が同居 → 「全成長段階/オールステージ」表示のフードを1種類、量だけ分ける
- 太りやすいシニアがいる → シニアの分だけ別にして、置き餌をやめる
- 療法食を食べている子がいる → 分けるのが前提。獣医師の指示が先
袋が1種類になっても、お皿は1頭に1つです。ここを混ぜると何をどれだけ食べたか分からなくなります。
この記事の目次
同じフードでいい子、分けたほうがいい子 🐾
先に振り分けてしまいましょう。年齢差そのものより、「今その子に体重や持病の事情があるか」で決まります。
療法食は、獣医師の指導のもとで疾病時の栄養サポートに使うフードとして区分されています。ここだけは横取りの話ではなく、指示の話です。
「オールステージ」は、誰に合わせた基準なのか
これ、名前がふわっとしていて損をしている表示だと思います。実体は「一番要求が高い段階に合わせてある」という意味です。
日本では、袋に「総合栄養食」と書くなら、対応する成長段階を併記するルールになっています。ペットフード公正取引協議会が示している区分は、哺乳期/幼犬・幼猫期(成長期)/成犬期・成猫期(維持期)/妊娠期・授乳期。このうち哺乳期以外の段階をすべて満たすものが「全成長段階」または「オールステージ用」です。
海外の基準も同じ考え方です。AAFCO(米国の飼料検査官の団体)は、栄養適合表示のライフステージを「妊娠・授乳」「成長」「維持」「全ライフステージ」の4つとしています。全ライフステージは、要求が高い段階をカバーしたうえでの表示です。
ここで正直に思うのは、「オールステージ=万能」と読むと判断を間違えるということ。「一番食べる必要がある子に合わせてある」と読むほうが、量を決めるときに迷いません。
メーカー側にも、あえてオールステージにしない立場があります。バディフードは自社のnoteで、AAFCOの基準が最低値中心で上限の規定が少ないことに触れ、成長期の子犬は成犬よりカルシウム2.4倍・リン2.5倍・ナトリウム3.75倍を必要とすると説明しています。骨の発達に必要な量が、年齢を重ねた犬にとっては別の意味を持つ、という主張です。この設計思想の違いは、袋の表示だけでは見えません。
袋のどこを見れば、その子に合うか分かる
拾い読みするなら、見る順番を固定してしまうのが速いです。上から5つ。
| 見る順 | 項目 | 何が分かる |
|---|---|---|
| 1 | 目的 | 総合栄養食/間食/療法食/その他の目的食のどれか |
| 2 | 成長段階 | 幼犬期・成犬期・妊娠授乳期・全成長段階のどれ向けか |
| 3 | 給与方法 | 成長段階・体重・給与回数・給与量。1頭ずつの量の出発点 |
| 4 | 成分(保証分析値) | たんぱく質・脂質は「以上」、粗繊維・灰分・水分は「以下」 |
| 5 | カロリー | 同じ量でどれだけ違うかの比較軸 |
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保証分析値の5項目、「以上」と「以下」が混ざっているのは地味に見落としがちです。たんぱく質と脂質だけが下限の保証で、残り3つは上限の保証。並んで書いてあるので、つい同じ向きに読んでしまいます。
このほか、ペットフード安全法では販売されるフードに「名称」「原材料名」「賞味期限」「製造業者等の名称及び住所」「原産国名」の表示が義務づけられています(環境省)。成長段階の併記は法律ではなく業界の表示規約側のルール、という整理です。多頭飼いで見たいのは、後者のほうです。
カロリーの単位は要注意。国内の袋では100gあたりのkcalを見かけますが、AAFCOはラベル上の表記をkcal/kgで求めています。海外ブランドを比べるときは、桁を揃えてから並べてください。
1つの袋を分け合うとき、量はどう決める?
同じフードでも、量は別物です。袋の給与方法には成長段階・体重・給与回数・給与量を書くことになっていて、そこが出発点になります。
子犬の給与量表は少し変わった作りです。ロイヤルカナンの公式FAQでは、「いまの月齢」と「成犬になったときの体重の目安」を確認し、クロスした数字を読むと説明されています。成犬時体重はブリーダーやショップに聞いた予想体重、または親犬の体重が手がかりになります。
ここで一番大事なのは、表の数字がゴールではないこと。同じメーカーが「給与量表どおりに与えてはいけない?」というコラムで、表の量は“その体重の平均的な犬にとっての適量”であり、運動量が平均と違えば過不足が起きると書いています。手順はこう示されています。
生活の単位に置き換えます。たとえば犬猫生活の全年齢用(国産鶏肉)は、公式ページで代謝エネルギー347kcal/100g、粗たんぱく質28%以上と公表されています。この濃さだと1回30gで約104kcal。同じ袋から2頭に出すなら、1頭は30g、もう1頭は45g、といった差がそのままカロリー差になります。計量カップの「だいたい」ではなく、キッチンスケールで測るほうが早く落ち着きます。
おやつも同じ財布から出ています。ペットフード協会は間食について、1日のエネルギー所要量の20%以内に抑えることを求めています。多頭飼いだと「同じおやつを全員に1本ずつ」になりがちで、小さい子ほど比率が跳ね上がります。
盗み食いという、いちばん現実的な壁 🦴
技術的な話より、こちらが本番です。Yahoo!知恵袋には、1歳のミニチュアダックスと3か月の子犬を飼う人から「先住犬が子犬のご飯ばかり欲しがるのです」という相談が上がっていて、先住犬に肥満傾向があるため子犬用は食べさせたくない、と書かれています。
回答は揃っていました。「別の部屋にするなど物理的な対策をするのが一番でしょう」「別々の部屋(ハウス)で食べさせます。そうしないと栄養管理ができません」。しつけの工夫より先に、環境を分ける話になっているのが印象的でした。
フードを1種類にまとめる価値は、まさにここです。袋が共通なら、横取りされても「別の年齢向けのフードを食べてしまった」状態にはなりません。残るのは量の管理だけ。個人的には、多頭飼いでオールステージを選ぶ理由は「栄養が万能だから」ではなく「事故が軽くなるから」だと思っています。
早食いする子と、のんびり食べる子が同居している場合は、食器のほうで差をつける手もあります。価格は各商品ページで確認できます。
切り替えは7日を目安に、日数で刻む
いま別々のフードを使っていて1種類にまとめるなら、いきなり全部入れ替えないでください。ロイヤルカナンとヒルズ、どちらの公式も約7日という数字を出しています。
| 日 | 今のフード | 新しいフード |
|---|---|---|
| 1〜2日目 | 75% | 25% |
| 3〜4日目 | 50% | 50% |
| 5〜6日目 | 25% | 75% |
| 7日目 | 0% | 100% |
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ロイヤルカナンは「7日未満であることもあれば、7日以上かかることもあります」と個体差に触れ、ヒルズは慣れるのに時間がかかるようならスケジュールに1〜2日足すよう案内しています。2頭同時に切り替えると、どちらの様子が変わったのか分かりにくくなります。1頭ずつずらすほうが、後で振り返れます。
子犬から成犬用への切り替え時期もサイズで違います。ロイヤルカナンの公式ページでは、小型・中型犬は10か月で成犬、大型・超大型犬は15か月から2年の間に成熟すると説明されています。同じ公式の栄養辞典では、超小型・小型犬の成長期は約8〜10か月齢、超大型犬は約18〜24か月齢とも書かれています。大型犬と小型犬を一緒に飼っていると、「もう成犬」「まだ成長期」が同じ家の中で同居することになります。
よくある質問
Q. 子犬に成犬用フードを続けたら、どうなりますか?
子犬は一度にたくさん食べられない一方で、成長のために濃い栄養が必要です。成犬用で同じ栄養を取ろうとすると、必要な量が増えます。知恵袋にも同じ疑問の投稿があり、回答では成長期の栄養不足への懸念が挙げられていました。成長期の栄養は骨の発達にも関わる話なので、いま成犬用を食べている子犬がいるなら、月齢と体重の推移を持ってかかりつけの獣医師に相談してください。
Q. シニアにオールステージを与え続けるのは?
オールステージは要求の高い段階を満たす設計なので、成犬・シニア専用より濃い設計になっていることがあります。ロイヤルカナンの栄養辞典は、カルシウムの過剰摂取はかえって骨の成長に悪影響を与えるため注意が必要としています。まずは体重と体型の推移を2週間単位で追い、増えていくなら量を見直す。腎臓や心臓に持病がある子は、フードの変更前に獣医師の判断を仰いでください。
Q. 大きいお皿にまとめて出してはいけませんか?
食べられる量が力関係で決まってしまい、1頭ずつの摂取量が分からなくなります。給与量の調整は「量を固定して2週間、体重を見て増減」という手順が前提なので、共有皿だとこの手順自体が回りません。お皿は頭数分、が出発点です。
この記事のまとめ
- 「全成長段階/オールステージ」は、妊娠・授乳期や成長期まで含めて満たす表示。万能という意味ではなく、要求の高い段階に合わせた設計という意味
- 成長段階の併記は業界の表示規約側のルール。法律(ペットフード安全法)で義務づけられているのは名称・原材料名・賞味期限・事業者・原産国の5項目
- 袋が1種類にできても、量は別。給与量表を出発点に、2週間ごとの体重と体型で調整する
- 療法食を食べている子がいる家は分けるのが前提。獣医師の指示が先
- 切り替えは約7日かけて割合を刻む。2頭同時ではなく1頭ずつ
次に取る行動をひとつだけ。 今ある袋を手に取って、「総合栄養食」の横に書かれた成長段階を読んでください。そこが全成長段階なら、次に決めるのは量だけです。
次に読むなら
- ドッグフードの選び方|成分表示5項目を上から順に読む手順 … この記事の「袋のどこを見るか」を、1項目ずつ掘り下げています
- シニア犬ドッグフード7選|成犬用との違いを数字で … シニアの分だけ別にすると決めたなら、成犬用との違いを数字で比べたこちらへ
調べたもと(出典 19件)
- 04.総合栄養食とライフステージについて|表示の基礎知識ペットフード公正取引協議会・確認日 2026-09-29
- 公正競争規約に基づく必要表示事項及び表示制限ペットフード公正取引協議会・確認日 2026-09-29
- 03.ペットフードの目的について|表示の基礎知識ペットフード公正取引協議会・確認日 2026-09-29
- 07.成分(保証分析値)について|表示の基礎知識ペットフード公正取引協議会・確認日 2026-09-29
- 02.必要表示事項について|表示の基礎知識ペットフード公正取引協議会・確認日 2026-09-29
- 表示に関するQ&Aペットフード公正取引協議会・確認日 2026-09-29
- ペットフード安全法の概要環境省・確認日 2026-09-29
- ペットフードの種類(目的別・ライフステージ別の分類)一般社団法人ペットフード協会・確認日 2026-09-29
- Reading Labels(ペットフードラベルの読み方・栄養適合表示と4つのライフステージ)AAFCO(米国飼料検査官協会)・確認日 2026-09-29
- Calorie Content(カロリー表示はkcal/kgで表す)AAFCO(米国飼料検査官協会)・確認日 2026-09-29
- ドッグフードを子犬用から成犬用に切り替えるタイミングロイヤルカナン ジャポン・確認日 2026-09-29
- 子犬用フードの給与量表の見方がわかりません(FAQ)ロイヤルカナン ジャポン・確認日 2026-09-29
- フードを給与量表どおりに与えてはいけない?ロイヤルカナン ジャポン・確認日 2026-09-29
- 犬の成長期(栄養成分辞典)ロイヤルカナン ジャポン・確認日 2026-09-29
- 犬や猫のフード切り替えのヒントとスケジュール日本ヒルズ・コルゲート・確認日 2026-09-29
- なぜバディフードはオールステージではなく成犬用なのか(メーカーによる解説)バディケア株式会社・確認日 2026-09-29
- ドッグフード 全年齢用(保証分析値・代謝エネルギー)犬猫生活・確認日 2026-09-29
- 多頭飼いで二匹異なるドッグフードをあげてらっしゃる方(先住犬が子犬のごはんを欲しがるという相談)Yahoo!知恵袋・確認日 2026-09-29
- ドッグフードには子犬用や成犬用などありますが(子犬に成犬用を与えることへの質問)Yahoo!知恵袋・確認日 2026-09-29
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