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国産ドッグフードと海外産の違い|表示ルールと輸入検査を公的資料で
「原産国:日本」は原材料が日本産という意味ではありません。ペットフード安全法の義務表示5項目、公正競争規約の9項目、輸入時に効いてくる規制を公的資料で整理し、国産と海外産をどう見比べるかをまとめました。

結論: 「国産」か「海外産」かは、袋に書かれた最終加工をした国の話で、原材料の産地でも品質の順位でもありません。
- まず見る → 袋の裏の「原産国名」と「原材料名」を別々に読む
- 次に見る → 「総合栄養食」と書いてあるか
- 迷ったら → 産地ではなく、成分値と1日あたりの給与量で比べる
「国産ドッグフード」と検索する人は、たぶん同じところで止まっています。国産って書いてあるけど、材料はどこの国なんだろう。海外のフードって、日本のチェックを受けてるんだろうか。
この2つ、公的な資料を読むと答えがはっきり出ます。しかも、多くの人が思っているのとは少し違う答えです。
この記事の目次
「原産国:日本」は、材料が日本産という意味じゃないんです 🐾
いちばん大事なところなので最初に。原産国は、そのフードに実質的な変更をもたらす最終加工をした国を書くルールです。
ペットフード公正取引協議会のQ&Aには、こう書かれています。「リパックや詰替えなどは加工にはなりません」。つまり海外で焼き上げたフードを日本で小袋に詰め直しても、原産国は日本になりません。
逆も成り立ちます。原材料を海外から仕入れて、日本の工場で加熱・成形したなら、原産国は日本。「国産」と表示できます。原材料の産地は、原産国名の欄には出てきません。
真ん中のケース、地味に見落としがちです。国産フードを選んだつもりでも、鶏肉や穀物が海外から来ていることは普通にあります。悪い話ではなく、「国産=全部日本産」ではないというだけ。
Yahoo!知恵袋には、まさにこの迷いの投稿があります。国産フードを買った直後に友人からイギリス製を勧められたという質問で、ベストアンサーは「どっちもどっち」という言葉から始まっていました。産地でスパッと決まる話ではない、というのは飼い主側の実感としても共有されているようです。
袋に書いてある項目は、実は2階建てになっています
日本のドッグフードの表示は、法律で決まっている分と業界の自主ルールで決まっている分に分かれます。ここを知ると、袋の裏が急に読みやすくなります。
法律のほうがペットフード安全法(正式名称は愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律)です。2009年に施行され、農林水産省と環境省の共管。ここで義務になっているのは5項目だけです。
ここ、けっこう驚きました。「総合栄養食」(それだけと水で栄養が足りる、という意味です)も、たんぱく質や脂質の成分値も、法律上の義務ではないんです。業界の自主ルールで書かれているものです。
協議会の規約は、書かせるだけでなく制限もかけています。定義に合わない「総合栄養食」表示、使用量がわずかなのに前面に出した原材料の強調、根拠のない品質表現、他社の中傷、過大包装。これらが禁止事項として並んでいます。
そして5項目のほう。関東農政局のページには「日本語で表示」と明記されています。海外産の袋に日本語シールが貼ってあるのは、デザインの都合ではなくルールだからです。
海外産は、輸入のときどこでチェックされているのか 🏥
海外のフードが野放しで入ってくる、というイメージがあるかもしれません。実際の手続きは違います。
輸入業者は、事業を始める前に届出が必要です。FAMIC(農林水産消費安全技術センター)の案内では、本社所在地の都道府県を管轄する地方農政局などに正副2通を提出し、届出内容が変わったら30日以内に変更届を出すことになっています。帳簿の備付けも義務です。
ポイントは、この4つが国産にも海外産にもまったく同じようにかかることです。製造業者の届出も、成分規格も、表示の基準も、立入検査も、産地で分かれていません。
もう一段厳しい入口もあります。ペットフード用の肉骨粉など動物性たん白の輸入は、FAMICの確認を事前に取り、輸出国政府の証明書を船積みごとに用意し、記録を8年間保存する仕組みです。FAMICの資料では、この衛生条件が結ばれている相手国はアメリカ(チキンレバーミール)のみと書かれていました。原料側の入口は、想像よりだいぶ狭いです。
成分の規格は、国産も海外産も同じ数字で見られています
「日本の基準はゆるい」という話、よく見かけます。実際に省令の数値を見ると、対象は犬猫用フード全般で、産地による区別はありません。
| 項目 | 上限値 |
|---|---|
| アフラトキシンB1 | 0.02 μg/g |
| デオキシニバレノール | 犬用 2 / 猫用 1 μg/g |
| メラミン | 2.5 μg/g |
| カドミウム | 1 μg/g |
| 鉛 | 3 μg/g |
| 無機砒素 | 2 μg/g |
| 亜硝酸ナトリウム | 100 g/t |
| エトキシキン(犬用) | 75 g/t |
| 酸化防止剤(BHA・BHT・エトキシキンの合計) | 150 g/t |
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出典:愛玩動物用飼料の成分規格等に関する省令(FAMIC掲載)。グリホサートやマラチオンなど農薬の残留基準も別に定められています。
メラミンの数値が入っているのは、2007年にアメリカで起きた大規模なペットフード回収がきっかけです。この法律自体がその出来事から生まれています。
添加物のエトキシキン、心配している人が多い成分ですよね。日本では犬用フードに上限が設けられていて、酸化防止剤の合計としても上限があります。使用が認められている範囲と、うちの子にとってどうかは別の話なので、気になる場合は原材料欄でその表記があるかを確認して、かかりつけの獣医師に相談してみてください。
海外のリコール情報も無関係ではありません。FAMICの注意喚起ページには、米国FDAなどが出した回収情報が時系列で並んでいます。サルモネラ、ビタミンDの過不足、異物混入。輸入品の不具合はここに集まるので、ブランドを検索するより早いことがあります。
AAFCOとFEDIAF、どっちの基準が書いてあればいいの?
袋に「AAFCO基準準拠」と刷ってあるのを見て、何かの認証だと思っていませんか。AAFCOの公式サイトにはこう書かれています。
AAFCO does not regulate, test, approve or certify pet food.(AAFCOはペットフードの規制・試験・承認・認証を行わない)
やっているのは、各州が法律に取り込めるモデル文言をつくること。日本のペットフード公正取引協議会は、この栄養基準を「総合栄養食」の判定に使っています。
| AAFCO | FEDIAF | 日本 | |
|---|---|---|---|
| 主体 | 米国飼料検査官協会 | 欧州ペットフード工業会連合 | ペットフード公正取引協議会 |
| 位置づけ | モデル文言(規制機関ではない) | 業界の自主ガイドライン | 公正競争規約(自主ルール) |
| 最新 | ラベル表示の規定を2023年に改定 | 犬猫用は2025年版 | AAFCOの栄養基準を採用 |
| 日本での効力 | 直接の効力はない | 直接の効力はない | 会員社の商品に適用 |
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見ての通り、3つとも法律ではありません。「AAFCO基準」も「FEDIAF基準」も、公的機関のお墨付きではなく栄養の物差しです。
個人的には、この構図を知ってから袋の見方が変わりました。「AAFCO」の4文字を探すより、日本語で「総合栄養食」と書いてあるかを見るほうが実用的だと思います。協議会のルールでは、総合栄養食と書くなら分析試験か給与試験のどちらかで基準を満たしたことを示す文言を添えることになっているからです。
で、うちの子はどっちを選べばいい?
産地では決まりません。決まるのは、うちの子の状態と、あなたが何を確かめたいかのほうです。
実務的な順番はこうです。まず「総合栄養食」の表記。次に成分表示(たんぱく質・脂質・粗繊維・灰分・水分)。最後に給与量の表から、うちの子の体重での1日量を出す。
体重5kgの成犬なら、1日の給与量はだいたい80〜110g前後の商品が多い帯です。そこから1日あたりの金額を出すと、国産と海外産の価格差が「月いくら」に翻訳できます。袋の値段だけで比べると、粒の密度が違うぶん判断を誤ります。
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もうひとつ。事業者の表示欄に「輸入業者」と書いてあるフードは、その会社が日本での問い合わせ窓口です。届出と帳簿の義務を負っているのもそこ。トラブルのとき連絡する相手がはっきりしているかは、地味ですが効きます。
よくある質問
Q. 個人輸入したフードにも同じルールがかかりますか。
ペットフード安全法は製造業者・輸入業者・販売業者を対象にした規制です。海外通販で自分の犬のために取り寄せる場合、日本語表示のある国内流通品とは前提が変わります。賞味期限や輸送中の温度も自分で管理することになるので、そこを踏まえて判断してください。
Q. 「無添加」と書いてあれば添加物ゼロですか。
公正競争規約は、根拠のない品質表現や、定義に合わない表示を制限しています。ただし「無添加」が何を指すかは商品ごとに違います。原材料名の欄には添加物も全部書かれているので、そこを最後まで読むのが確実です。詳しくは別記事でまとめています。
Q. 海外産のほうが基準が厳しいと聞きました。
AAFCOもFEDIAFも法律ではなく、業界の栄養基準やガイドラインです。一方、日本で売られているフードは国産・海外産を問わず、ペットフード安全法の成分規格と表示の基準、そして立入検査の対象になります。仕組みの性格が違うので、単純にどちらが厳しいとは言い切れません。
この記事のまとめ
- 原産国名は「最終加工をした国」。原材料の産地ではなく、日本での詰め替えでは国産にならない
- 法律で義務なのは名称・賞味期限・原材料名・原産国名・事業者名の5項目。日本語で表示する
- 総合栄養食や成分値、給与量は公正競争規約(業界の自主ルール)による上乗せ分
- 成分規格も届出も立入検査も、国産と海外産で扱いは同じ
- AAFCO・FEDIAF・公正競争規約はいずれも法律ではなく、栄養の物差し
次にやること: 今使っているフードの袋を裏返して、「原産国名」と「原材料名」を別々に読んでみてください。2つが一致しないことに気づいたら、この記事の見方が身についています。
次に読むなら
- ドッグフードの選び方|成分表示5項目を上から順に読む手順 … 産地の次に見るべき成分値を、上から順に読む手順にしています
- 【2026年版】無添加ドッグフードおすすめ比較|定義と1kcal単価 … 「無添加」の定義がメーカーごとに違う理由を、表示ルールから整理しています
調べたもと(出典 13件)
- ペットフードの安全関係(ペットフード安全法 事業者のみなさま向けページ)農林水産省・確認日 2026-09-28
- ペットフードに関する情報(ペットフード安全法の概要)農林水産省 関東農政局・確認日 2026-09-28
- 愛玩動物用飼料の成分規格等に関する省令農林水産消費安全技術センター(FAMIC)・確認日 2026-09-28
- ペットフードの製造・輸入業者届出手続き農林水産消費安全技術センター(FAMIC)・確認日 2026-09-28
- ペットフード用肉骨粉等の輸入に関する手続農林水産消費安全技術センター(FAMIC)・確認日 2026-09-28
- ペットフード(Q&A・注意喚起、試験結果の公表)農林水産消費安全技術センター(FAMIC)・確認日 2026-09-28
- ペットフードの適正な表示についてペットフード公正取引協議会・確認日 2026-09-28
- ペットフード安全法に基づく必要表示事項についてペットフード公正取引協議会・確認日 2026-09-28
- 公正競争規約に基づく必要表示事項及び表示制限についてペットフード公正取引協議会・確認日 2026-09-28
- 表示に関するQ&A(原産国は最終加工をした国、リパックは加工に含まれない)ペットフード公正取引協議会・確認日 2026-09-28
- Understanding Pet Food(AAFCOは規制・承認を行わないとの記載)AAFCO(米国飼料検査官協会)・確認日 2026-09-28
- Nutritional Guidelines(犬猫用は2025年版)FEDIAF(欧州ペットフード工業会連合)・確認日 2026-09-28
- 「国産ドッグフードの方が安心できませんか?」(飼い主の質問と回答)Yahoo!知恵袋・確認日 2026-09-28
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