お金
犬の飼育費は1年でいくら?小型・中型・大型の内訳を統計で見積もる
犬1頭にかかる1年の費用を、ペットフード協会・アニコム損保・総務省家計調査・東京都の4つの公的調査から比べました。年19万円と41万円、どちらも本当です。体格別・年齢別の内訳と、都内で最初にかかる法定費用まで見積もりの土台をまとめます。

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「犬を飼うと1年でいくらかかるのか」。
調べ始めて最初に困ったのは、答えがひとつに決まらないことでした。ある調査では年19万円、別の調査では年41万円。どちらも公的な性格の強い、まっとうな統計です。それでも2倍以上ちがう。
この記事は、その差がなぜ生まれるのかを分解して、あなたの犬に合った数字を自分で組み立てられるようにするためのものです。2026年8月19日時点で公開されている資料をもとにしています。
この記事の目次
- 時間がない人向け:結論を3行で
- 4つの調査を横並びで比べる
- 1位:ペットフード協会「全国犬猫飼育実態調査」
- 2位:アニコム『家庭どうぶつ白書2025』
- 3位:総務省「家計調査」
- 4位:東京都「犬及び猫の飼育実態調査」(令和6年度)
- 小型・中型・大型で、1年いくら違うのか
- どの体格が「1位」かは、あなたの条件で変わる
- 内訳を見る:どこにお金が消えるのか
- アニコムの内訳と比べる
- 体格より効くのは「年齢」
- 一次情報:都内の相場と全国平均、実際どれだけ違うのか
- 差が出ないところ:法定の手数料と、狂犬病予防注射
- 差が出るところ:トリミング
- 都内ならではの数字:狂犬病予防注射の接種率
- ペット関連支出は、着実に増えている
- 迎える年だけ、余分にかかるお金
- よくある質問
- Q. 結局、月いくら用意すればいいですか
- Q. 大型犬は本当にお金がかかりますか
- Q. ペット保険には入るべきですか
- Q. 東京で飼うと、地方より高くつきますか
- Q. 「生涯で278万円」という数字はどう使えばいいですか
- まとめ:あなたの見積もりの作り方
時間がない人向け:結論を3行で
- 迎える前の心づもりなら、年20万〜25万円。これがペットフード協会の全国調査(2025年)に一番近い水準です
- 不安を潰しておきたいなら、年40万円。保険に入って、トリミングに定期的に出して、健康診断も受ける前提の数字がこれです
- 体格による年間費用の差は、思ったより小さい。大きく効くのは体格ではなく年齢。10歳を超えると医療費が跳ね上がります
選び方の基準
この記事では、商品ではなく「見積もりに使う統計」を順位付けしています。基準は先に決めました。
- 誰が調べたか ── 業界団体・保険会社・国。それぞれ立場があるので、立場が数字にどう効くかを見る
- 誰に聞いたか ── ここが一番効きます。保険契約者に聞けば保険料は必ず計上されるし、そもそも医療にお金をかける層です
- サンプル数と調査時期 ── 何人に聞いたのか。いつのお金の話なのか
- 内訳が公開されているか ── 合計だけの数字は見積もりに使えません
- 体格別・年齢別に割れるか ── 「うちの犬」に寄せられるかどうか
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4つの調査を横並びで比べる
| 1位 ペットフード協会 | 2位 アニコム白書 | 3位 総務省 家計調査 | 4位 東京都 飼育実態調査 | |
|---|---|---|---|---|
| 犬1頭の年額 | 192,356円 | 414,159円 | 32,164円(世帯あたり) | 分布のみ |
| 調べた人 | 一般社団法人ペットフード協会 | アニコム損保(ペット保険) | 総務省統計局 | 東京都保健医療局 |
| 聞いた相手 | 全国の犬1頭飼育者 | ペット保険の契約者 | 全国の一般世帯 | 都内の一般世帯 |
| サンプル | n=1,034 | n=1,481 | 全国約9千世帯 | 犬飼育233軒 |
| 時期 | 2025年10月調査 | 2024年1〜12月の支出 | 2025年 | 令和6年度 |
| 体格別 | ○(超小型/小型/中・大型) | × | × | × |
| 年齢別 | ○ | ○(診療費) | × | × |
| 内訳 | ○(7項目) | ◎(15項目) | ○(4品目) | △(3区分) |
| 弱点 | 支出総額と内訳の合計が合わない | 保険加入者に偏る | 飼っていない世帯も分母 | 金額区分だけで平均値なし |
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1位:ペットフード協会「全国犬猫飼育実態調査」
年間192,356円。 犬1頭だけを飼っている人の1か月支出16,030円を12倍した数字です(医療費等を含む)。
2025年10月3日〜7日にインターネットで実施され、規模推計の有効回収は64,099サンプル。うち飼育者調査が2,802サンプル、支出の集計に使われているのが1,034人という構成です。
👍 向いている人
これから犬を迎える人。「ふつうに飼ったらいくらか」の相場としては、今回調べたなかで一番くせがない数字でした。
📝 選ぶ前に知っておきたいこと
後述しますが、内訳の項目を全部足すと支出総額を大きく超えます。集計方法のちがいによるもので誤りではないのですが、内訳をそのまま合計して使うと過大な見積もりになります。もうひとつ、体格区分(超小型・小型・中型・大型)が何kgで切られているのかは、今回開いた資料のなかには明記が見当たりませんでした。ここは正直、分かりにくいと思います。
2位:アニコム『家庭どうぶつ白書2025』
年間414,159円。 アニコム損保のペット保険契約者に対するアンケートで、2024年1月1日〜12月31日の1年間に犬1頭へ支出した費用を聞いたものです。回答は1,481頭ぶん、犬の平均年齢は5.8歳。
金額が大きいのには理由があります。全員がペット保険に入っているので、保険料46,354円が必ず乗ります。そして保険に入る人はもともと医療にお金をかける傾向があるはずです。さらに「交通費」「飼育に伴う光熱費の追加分」まで項目に入っている。ここまで数えている調査は他にありません。
👍 向いている人
予算を厚めに見ておきたい人。すでに保険加入を決めている人。弱点:これを「平均的な飼い主の姿」と読むのは無理があります。
3位:総務省「家計調査」
これは犬1頭あたりの数字ではありません。二人以上の世帯全体の平均です。犬も猫も飼っていない世帯が分母に入っているので、金額が小さくなります。
| 品目 | 2025年・1世帯あたり年額 |
|---|---|
| ペットフード | 11,170円 |
| ペット・他のペット用品 | 6,231円 |
| 動物病院代 | 10,042円 |
| 他のペット関連サービス | 4,721円 |
| 合計 | 32,164円 |
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👍 向いている使い方
世の中全体の傾向をつかむこと。統計局の家計ミニトピックスによれば、二人以上の世帯のペット関連支出は平成7年から21年までの15年間で約1.7倍に増えました。平成21年時点で世帯主50〜59歳の世帯が28,951円で最多、30歳未満は6,095円で最少。単身世帯では女性平均12,508円に対し男性2,983円で、4倍以上の開きがありました。
📝 選ぶ前に知っておきたいこと
個別の犬の見積もりにはそのまま使えません。
4位:東京都「犬及び猫の飼育実態調査」(令和6年度)
都内の一般世帯6,000通に配布し、有効回答1,630。うち犬を飼っているのは233軒(14.3%)、293頭でした。金額は区分で聞いているので平均値は出ませんが、都内に限定した唯一の公的データです。
| 年間金額 | 餌代 | 医療費 |
|---|---|---|
| 1万円未満 | 0.9% | 1.3% |
| 1〜3万円未満 | 12.9% | 17.2% |
| 3〜6万円未満 | 25.3% | 26.6% |
| 6〜10万円未満 | 15.5% | 12.9% |
| 10〜15万円未満 | 21.9% | 15.5% |
| 15〜20万円未満 | 5.6% | 4.7% |
| 20〜50万円未満 | 8.2% | 6.0% |
| 50万円超 | 0.9% | 3.9% |
| 無回答 | 9.0% | 12.0% |
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餌代も医療費も、最多は「3〜6万円未満」。都内でも、多数派はそこまで使っていないということです。ただし医療費の「50万円超」が3.9%いる。25軒に1軒です。ここが怖いところで、平均だけ見ていると見落とします。
小型・中型・大型で、1年いくら違うのか
ここが一番意外でした。年間の費用は、体格でほとんど変わりません。
| 区分 | n | 1か月平均 | 年間平均 | 平均寿命 | 生涯必要経費 |
|---|---|---|---|---|---|
| 全体 | 1,034 | 16,030円 | 192,356円 | 14.82歳 | 2,784,190円 |
| 超小型 | 572 | 16,713円 | 200,560円 | 15.28歳 | 3,002,239円 |
| 小型 | 343 | 14,764円 | 177,170円 | 14.59歳 | 2,582,402円 |
| 中・大型 | 114 | 16,661円 | 199,937円 | 13.63歳 | 2,775,565円 |
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(ペットフード協会2025年調査/犬1頭飼育者)
超小型と中・大型で、年間の差はわずか623円。むしろ一番安いのは小型犬です。
理由は内訳を見ると分かります。中・大型犬はフード代が明らかに高い(月6,557円 vs 超小型3,539円)。でも超小型犬は医療費とトリミング代が高い(医療費 月5,507円 vs 中・大型4,878円)。項目ごとに逆方向へ振れて、合計では相殺されるわけです。
一方、生涯でみると話が変わります。超小型犬の平均寿命15.28歳に対し、中・大型犬は13.63歳。1年半以上ちがう。だから生涯必要経費は超小型が約300万円で最も高くなります。
どの体格が「1位」かは、あなたの条件で変わる
- 年間の出費をいちばん抑えたい → 小型犬(177,170円)。ただしトリミングが必要な犬種が多く、その分は必ずかかります
- 生涯の総額で考えたい → 中・大型犬のほうが超小型犬より約23万円安い計算になります。でもそれは「寿命が短いから」であって、うれしい理由ではありません
- 都内の集合住宅 → そもそも飼育可能な体重・体高の上限が管理規約で決まっていることが多いので、そこが先です
内訳を見る:どこにお金が消えるのか
ここで、最初に触れた「内訳を足すと合わない」問題を説明します。
| 項目(月額) | 全体 | 超小型 | 小型 | 中・大型 |
|---|---|---|---|---|
| 主食用ドッグフード | 4,143円 | 3,539円 | 4,325円 | 6,557円 |
| おやつ | 1,810円 | 1,660円 | 1,878円 | 2,311円 |
| おもちゃ・衣類 | 1,265円 | 1,340円 | 1,167円 | 1,171円 |
| 雑貨 | 1,640円 | 1,668円 | 1,566円 | 1,778円 |
| 獣医にかかる医療費 | 5,035円 | 5,507円 | 4,334円 | 4,878円 |
| トリミングなどのケア | 4,677円 | 4,840円 | 4,196円 | 5,142円 |
| 犬の保険 | 3,358円 | 3,200円 | 3,474円 | 4,066円 |
| 単純に足すと | 21,928円 | 21,754円 | 20,940円 | 25,903円 |
| 実際の支出総額 | 16,030円 | 16,713円 | 14,764円 | 16,661円 |
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足すと約2.2万円。でも支出総額は1.6万円。6千円ほど合いません。
これ、資料を読み間違えているのかと思って1時間ほど止まりました。答えは集計のベースにあります。各項目の平均は「その項目にお金を使っている人だけ」の平均なんです。年額の内訳を見ると人数が分かります。
| 項目 | 年額(該当者平均) | 該当者数 | 1,034人中の割合 |
|---|---|---|---|
| 獣医にかかる医療費 | 60,423円 | 662人 | 64% |
| トリミングなどのケア | 56,121円 | 547人 | 53% |
| 主食用ドッグフード | 49,717円 | 996人 | 96% |
| 犬の保険 | 40,299円 | 421人 | 41% |
| おやつ | 21,716円 | 875人 | 85% |
| 雑貨 | 19,684円 | 806人 | 78% |
| おもちゃ・衣類 | 15,184円 | 462人 | 45% |
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つまり、ペット保険に入っているのは4割ちょっと。トリミングに出しているのは約半分。1年間、動物病院にまったくかからなかった人が3人に1人いる。
見積もりに使うときは、こう考えるのが正確です。
主食フード(ほぼ全員)+ おやつ + 自分が実際に使う項目だけ
保険に入るなら年4万円を足す。トリミングが要る犬種なら年5.6万円を足す。要らないものは足さない。これで「うちの犬」の数字になります。
アニコムの内訳と比べる
アニコムのほうは、項目が細かい。
| 項目 | 年額(2024年) |
|---|---|
| フード・おやつ | 82,747円 |
| ケガや病気の治療費 | 80,371円 |
| シャンプー・カット・トリミング料 | 52,353円 |
| ペット保険料 | 46,354円 |
| ワクチン・健康診断等の予防費 | 35,280円 |
| 交通費 | 24,384円 |
| 光熱費(飼育に伴う追加分) | 21,125円 |
| サプリメント | 15,281円 |
| 日用品 | 14,569円 |
| 洋服 | 12,914円 |
| しつけ・トレーニング料 | 8,226円 |
| 首輪・リード | 6,384円 |
| ペットホテル・シッター、ドッグラン等、防災用品 | 計 14,171円 |
| 合計 | 414,159円 |
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注目したいのは交通費24,384円と光熱費21,125円。合わせて4.5万円あります。これはペットフード協会の調査には項目がありません。「犬を飼うと電気代が上がる」「動物病院や旅行の移動費がかかる」。言われてみればそうなのですが、見積もりからは抜け落ちがちです。
サプリメント15,281円という項目もあります。効果を断定できる話ではありませんが、実際にこれだけの人が支出しているという事実は、予算を組むうえで知っておいて損はありません。
体格より効くのは「年齢」
体格の差が年間623円だったのに対して、年齢の差は桁がちがいます。
アニコム損保が保険金請求データ801,127頭ぶんを集計した、犬の年間診療費です。
| 年齢帯 | 平均値 | 中央値 |
|---|---|---|
| 0〜4歳 | 52,613円 | 21,860円 |
| 5〜9歳 | 88,362円 | 39,358円 |
| 10歳以上 | 172,742円 | 99,346円 |
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平均値と中央値の差にも注目してください。 10歳以上では平均172,742円に対して中央値99,346円。7万円以上ひらいている。これは「大半の犬は10万円前後だが、一部にかなり高額な子がいて平均を押し上げている」ということです。
ペットフード協会の調査でも同じ形が出ます。犬1頭飼育者の「獣医にかかる医療費」は、13歳以上で年108,823円。超小型犬にかぎると121,780円まで上がります。
高齢期の年間費用は、若いころの1.5倍〜2倍で見ておく。 これは体格を問わず言えることです。
なお、費用が高くなりやすい疾患としては、10歳以上の請求では弁膜症が平均156,244円、歯周病・歯肉炎が66,372円という数字が出ています。ただしこれは診療費の統計であって、予防できるとか、いくら備えれば足りるという話ではありません。心配なことがあれば、まずかかりつけの獣医師に相談してください。
一次情報:都内の相場と全国平均、実際どれだけ違うのか
ここがこの記事の本題のひとつです。「東京は高い」とよく言われるので、公的データで差が出るはずだと思って探しました。
結果から言うと、思ったほど差は出ませんでした。 そして、差が出るところ/出ないところがはっきり分かれました。
差が出ないところ:法定の手数料と、狂犬病予防注射
犬を飼うと必ずかかる法定の費用は、ほぼ全国一律です。

| 項目 | 東京(品川区の例) | 横浜市 |
|---|---|---|
| 犬の登録(鑑札交付) | 3,000円 ※生涯1回 | ─ |
| 鑑札の再交付 | 1,600円 | ─ |
| 狂犬病予防注射済票の交付 | 550円 ※毎年 | 550円 |
| 集合注射の注射料 | 3,200円 | 3,100円 |
| 集合注射のときの合計 | 3,750円 | 3,650円 |
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その差、100円。しかも注射済票の交付手数料550円は完全に同額です。地域差が出るのは自治体の手数料ではなく、地元の獣医師会が決める「注射料」のほう、という構造でした。
登録3,000円と注射済票550円は、狂犬病予防法にもとづく手続きの手数料です。動物病院で個別に接種する場合、注射料は病院ごとに異なります。
差が出るところ:トリミング
小売物価統計調査の品目には「ペット美容院代」があります。統計局の小売ミニトピックスに、東京都区部の平均価格が載っていました。
| 品目(東京都区部) | 2017年 | 2018年 |
|---|---|---|
| ペット美容院代(犬、トイプードル) | 7,160円 | 7,248円 |
| 理髪料(総合調髪、男性) | 3,802円 | 3,812円 |
| カット代(ヘアーカット、女性) | 3,828円 | 3,804円 |
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飼い主が自分の髪を切るより、犬のトリミング1回のほうが3,400円以上高い。 資料も「その価格差は3,000円以上ある」と明記しています。
ただし正直に書くと、この品目の全国平均は見つけられませんでした。 ペット美容院代とドッグフードは「都市別に調査する品目」で、全国統一の平均価格が公表されていないようなのです。e-Statの都市別データはExcel形式のみで、今回は中身を確認できませんでした。ここは「東京は高い」と言い切れる材料が揃っていません。
なお、東京都区部の最新の小売価格は東京都総務局統計部の「東京の物価」で毎月公表されています。数字を自分で確かめたい人はそちらを見てください。この記事では、列の対応を正確に読み取れなかったため2018年の公表値のみを載せています。
都内ならではの数字:狂犬病予防注射の接種率
| 令和6年度 | 登録頭数 | 予防注射頭数 | 接種率 |
|---|---|---|---|
| 全国 | 6,048,725頭 | 4,281,702頭 | 71% |
| 東京都 | 558,579頭 | 387,473頭 | 69% |
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狂犬病予防法では、生後91日以上の犬は年1回の予防注射が義務です。それでも接種率は7割にとどまっています。東京都は全国よりわずかに低い。
これは費用の話としても意味があります。登録頭数と注射頭数の差には、登録したまま亡くなった犬の届出漏れも含まれているはずですが、それだけでは説明しきれない規模です。
ペット関連支出は、着実に増えている
家計調査で見ると、二人以上の世帯のペット関連支出(4品目)は2025年に年32,164円。統計局の資料によれば、平成7年から21年までの15年間で約1.7倍に増えていました。品目の定義が途中で変わっているので単純な連続比較はできませんが、増加基調が長く続いているのは間違いありません。
見積もりを立てるときは、今の相場をそのまま10年後に当てはめないほうがいいと思います。
迎える年だけ、余分にかかるお金
1年目は初期費用が上乗せされます。手続き関係だけでも、ざっと次の流れです。

マイクロチップは、令和4年6月1日以降にブリーダーやペットショップで販売される犬・猫は装着が義務化されています。すでにチップが入っているので、飼い主は変更登録をします。手数料はオンライン400円、紙の申請1,400円。登録事項の変更届(引っ越しなど)は無料です。
このほか、迎える年には次のようなお金がかかります。金額は選ぶものによって大きく変わるので、ここでは項目だけ挙げます。
- 生体価格(保護犬の譲渡なら医療費実費など)
- 混合ワクチン、フィラリア・ノミダニの予防
- 避妊・去勢手術(日本獣医師会が「家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査」を公表しています。最新は令和3年度実施ぶんで、報告書PDFは16.8MBあります)
- ケージ、トイレ、食器、リード、キャリー
- 都内の集合住宅なら、ペット飼育の申請・敷金上乗せ
ざっくり言えば、1年目は通常年より10万〜20万円ほど多く見ておくのが無難だと思います。ただしこれは今回の統計から直接出た数字ではなく、項目を積み上げた目安です。
よくある質問
Q. 結局、月いくら用意すればいいですか
ペットフード協会の調査では、犬1頭飼育者の月平均が16,030円。中央値は12,000円です。月1.5万円を基準に、保険に入るなら+3,400円、トリミングに出すなら+4,700円、という積み上げ方が実態に近いと思います。
平均を押し上げているのは高額な少数です。中央値のほうが「よくある額」に近い、と覚えておくと見積もりを外しにくくなります。
Q. 大型犬は本当にお金がかかりますか
フード代は明確にかかります。 中・大型犬の主食用ドッグフードは月6,557円で、超小型犬の3,539円の約1.9倍です。トリミング代も月5,142円で最も高い。
一方で医療費は超小型犬のほうが高く出ています(月5,507円 vs 4,878円)。年間の合計では、超小型200,560円・中・大型199,937円とほぼ同じでした。ただし中・大型のサンプルはn=114と少なめなので、この差はあまり細かく読まないほうがいいと思います。
Q. ペット保険には入るべきですか
入るべきかどうかは、この記事では判断しません。 判断材料だけ置きます。
- ペットフード協会の調査では、犬1頭飼育者のうち保険料を支出している人は1,034人中421人(41%)。加入している人の平均保険料は年40,299円
- アニコムの調査(契約者が対象)では年46,354円
- 10歳以上の年間診療費は平均172,742円、中央値99,346円
つまり、保険料を10年払い続けた総額と、高齢期に想定される医療費が同じくらいの桁になります。どちらが得かは、その犬に何が起きるか次第なので事前には決まりません。
比較するときに見るべきなのは保険料の安さではなく、免責事項・待機期間・更新時の条件・年間の支払上限・回数制限です。ここは商品ごとに大きく違います。最終的な判断は必ず重要事項説明書で確認してください。
Q. 東京で飼うと、地方より高くつきますか
今回調べた範囲では、そう言い切れる公的データは見つかりませんでした。
- 犬の登録3,000円、注射済票550円は東京も横浜も同額
- 集合注射の合計は東京23区(品川区)3,750円、横浜市3,650円で差は100円
- トリミングは東京都区部で1回7,248円(2018年)という公表値がありますが、比較できる全国平均が公表されていません
住居費や、ドッグラン・ペットホテルの単価では差が出そうですが、それを示す公的統計にはたどり着けませんでした。ここは今後の宿題にします。
Q. 「生涯で278万円」という数字はどう使えばいいですか
ペットフード協会が2025年の平均寿命(14.82歳)から算出した犬全体の生涯必要経費が2,784,190円です。年齢ごとの平均支出を寿命まで足し上げた数字なので、将来かかるお金の総量をイメージするには向いています。
ただし、この計算には初期費用(生体価格、ケージ類)は入っていません。また高齢期の医療費が想定より重くなれば簡単に超えます。「最低限これくらい」の線として使うのがよさそうです。
まとめ:あなたの見積もりの作り方
最後に、手順にしておきます。
- 土台:年間192,356円(ペットフード協会・全体)から始める
- 体格で微調整:小型犬なら−1.5万円、超小型・中大型ならほぼそのまま
- 入るものを足す:ペット保険なら+4.0万円、定期トリミングなら+5.6万円
- 年齢で掛ける:10歳を超えたら、医療費部分を1.5〜2倍に見直す
- 抜けを埋める:交通費・光熱費で年4.5万円ほど見ておくと、実感に近づく
- 1年目だけ:初期費用と手続き費用を10万〜20万円上乗せ
こうすると、多くのケースで年20万〜30万円、高齢期は35万〜45万円あたりに着地します。アニコムの41万円は、5〜6歳の犬で保険にもトリミングにも交通費にもきちんとお金を使っている人の姿。ペットフード協会の19万円は、保険に入っていない人が6割いる世の中全体の姿。どちらも本当で、あなたがどちらに近いかを決めるのは自分です。
数字は2026年8月19日時点で公開されているものです。フード価格も診療費も上がり続けているので、1〜2年ごとに見直すことをおすすめします。各調査の最新版は、それぞれの公式ページで無料で公開されています。
調べたもと(出典 15件)
- 全国犬猫飼育実態調査 データ・チャート一般社団法人ペットフード協会・確認日 2026-08-19
- 2025年 全国犬猫飼育実態調査「犬 飼育・給餌実態と支出」一般社団法人ペットフード協会・確認日 2026-08-19
- 2025年 全国犬猫飼育実態調査「調査概要」一般社団法人ペットフード協会・確認日 2026-08-19
- アニコム『家庭どうぶつ白書2025』アニコム ホールディングス株式会社・確認日 2026-08-19
- ペット保険のビッグデータを活用『アニコム 家庭どうぶつ白書2025』発行アニコム ホールディングス株式会社・確認日 2026-08-19
- 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 品目分類(2025年改定)年次総務省統計局(e-Stat 政府統計の総合窓口)・確認日 2026-08-19
- 家計ミニトピックス「ペット関連の支出」(家計調査通信439号)総務省統計局・確認日 2026-08-19
- 小売ミニトピックス No.4「ペット関連品目の状況」総務省統計局・確認日 2026-08-19
- 令和6年度 犬及び猫の飼育実態調査の概要東京都保健医療局・確認日 2026-08-19
- 全国及び東京都犬の登録頭数等東京都保健医療局・確認日 2026-08-19
- 犬の登録・狂犬病予防接種東京都品川区・確認日 2026-08-19
- 令和8年度 狂犬病予防注射集合注射会場について横浜市・確認日 2026-08-19
- 犬と猫のマイクロチップ情報登録について環境省・確認日 2026-08-19
- 小動物診療料金公益社団法人日本獣医師会・確認日 2026-08-19
- 東京の物価 令和8年(2026年)6月分東京都総務局統計部・確認日 2026-08-19
価格や条件は変わることがあります。購入前に各公式ページで、体のことはかかりつけの獣医師にご確認ください。 調べ方と広告の扱いは運営者情報・編集方針に書いています。