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シニア犬のごはんは何歳から変える?体重とBCSで見極める切り替え時期
犬の「シニア」に法律上の年齢定義はありません。メーカーごとに7歳・8歳・10歳・12歳とバラバラです。年齢ではなく体重とBCS(体型スコア)で判断する方法を、環境省・公正競争規約・FEDIAFの一次資料から整理しました。

7歳の誕生日が来た。ペットショップの棚には「7歳から」と書かれた袋が並んでいる。で、明日から変えるべきなんでしょうか。
結論から言うと、誕生日は切り替えの理由になりません。理由は3つあります。
- 日本のペットフード表示ルールには、そもそも「高齢犬期」という成長段階の区分が存在しない
- 何歳からシニアかは、環境省・FEDIAF・各メーカーで6歳から12歳までバラバラ
- 体のほうが先にサインを出す。年齢より、体重とBCS(体型のスコア)のほうが早い
以下、その根拠と「じゃあ何を見ればいいのか」を全部書きます。
この記事の目次
先に答え:この3つが動いたら、ごはんを見直すタイミングです 🐾
年齢はきっかけであって、判断材料ではありません。実際に見るのはこの3つです。
どれか1つでも2〜3週間続いたら、動くタイミングです。逆にどれも動いていないなら、7歳になっただけで慌てて袋を変える理由は、今回調べた範囲では見つかりませんでした。
Yahoo!知恵袋にまさに同じ質問がありました。「成犬用をシニア犬に与えたら何か体に悪い影響が出てしまうのでしょうか?」というものです。回答のひとつが、個人的にはいちばん実務的だと感じました。「成犬用で食欲が落ちて食べ残すことが多くなった場合にシニア用に切り替えるのがいいかな、と思います」。年齢ではなく、食べ残しという観察から入っている。この記事で言いたいことと、ほぼ同じです。
「シニア用」という成長段階は、ルール上は存在しません 📋
ここ、調べていていちばん驚いた部分です。
日本のドッグフードのパッケージ表示は、ペットフード安全法(正式には愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律)と、業界の公正競争規約の2つで決まっています。このうち「総合栄養食」と書くときに何を併記するかを定めているのが、規約の施行規則です。
施行規則の第4条には、併記すべき成長段階が5つ、例として並んでいます。
哺乳期、妊娠期/授乳期、幼犬期/成長期、成犬期/維持期、全成長段階。高齢犬期もシニアも、ここには入っていません。
これは机上の話ではありません。ユニ・チャームの「愛犬元気 7歳以上用」の公式製品ページを見ると、目的の表示は「成犬用総合栄養食」です。7歳以上向けと銘打っていても、栄養基準の上では成犬(維持期)のフードとして作られている。

海外の基準も同じです。米国のAAFCOが公表している犬用の栄養基準の表には、列が2つしかありません。Growth & Reproduction(成長・繁殖期)とAdult Maintenance(成犬維持期)です。粗たんぱく質の最低値は乾物ベースで前者が22.5%、後者が18.0%。シニアの列はありません。
欧州のFEDIAFも、シニア犬についての見解書のなかでこう書いています。「At present there are no experimental data dealing with energy or nutrient requirements for older dogs(現時点で、高齢犬のエネルギーや栄養素の要求量を扱った実験データは存在しない)」。
つまり「シニア用フード」は、法定の栄養区分ではなく、各メーカーの設計思想です。だから中身も、何歳からと書くかも、会社ごとに違う。ここを知らずに「7歳になったからシニア用にしなきゃ」と考えると、袋の裏側で何が起きているのかが見えなくなります。
正直、これは地味に誤解されやすいポイントだと思います。悪いことではありません。ただ「国が決めた7歳の線がある」わけではない、という前提は持っておいたほうがいい。
じゃあ何歳から? 出典ごとに6歳〜12歳までバラけます
実際に何歳からシニアと言っているのか、一次資料だけを並べてみます。
| 出典 | 小型犬 | 大型犬 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 環境省ガイドライン(本文) | 約7歳〜8歳以降 | 同左 | 「老化のスピードには個体差がある」と明記 |
| 環境省ガイドライン(Q&A) | 8〜10歳くらい | 6〜7歳 | 猫は7〜10歳くらい |
| FEDIAF 見解書 | 約10歳から | 5〜8歳から | 「正確な開始時期の設定は不可能」と明記 |
| ロイヤルカナン | 8歳(中高齢)/12歳(高齢) | 8歳から高齢期 | サイズ区分:4kg以下/5〜10kg/11〜25kg/26〜44kg/45kg以上 |
| ヒルズ サイエンス・ダイエット | 7歳/10歳/13歳の3段階 | 同左 | 7歳以上、10歳以上(シニアプラス)、13歳以上(シニア アドバンスド) |
| ユニ・チャーム | 7歳/10歳/13歳の3段階 | 10歳以上の中・大型犬用あり | 愛犬元気・グラン・デリ・ベストバランスとも同じ刻み |
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※2026年9月14日時点で各公式ページに掲載されている内容です。
見比べて気づくのは、「7歳」がいちばん多いけれど、7歳を最初の線にしているのは日本のメーカーと環境省ガイドラインで、FEDIAFの小型犬は約10歳だという点です。3年ちがう。
FEDIAFの書きぶりが、個人的にはいちばん誠実だと感じました。原文を引くと、こうです。「no exact time setting for the onset of "ageing" is possible, as there are individual differences and for this reason, the biological age may differ from chronological age(個体差があるため"老化"の開始時期を正確に設定することは不可能であり、生物学的な年齢は暦の上の年齢と異なりうる)」。
年齢は目安として便利です。ただ、目安を判断基準にすり替えないこと。ここが分かれ目だと思います。
選び方の基準
先に断っておくと、この記事は「このフードが1位」という並べ方をしていません。比べているのは製品の優劣ではなく、各社が「何歳から」「どんな設計で」シニア用を作っているか。そのうえで、表に載せる情報は次の4つの基準で選びました。
- 一次情報であること。 公的機関(環境省)、業界団体(ペットフード公正取引協議会、ペットフード協会、FEDIAF、AAFCO)、メーカー公式サイトのいずれかに載っている情報だけを使っています。比較サイトのランキングや個人の体験談は入れていません
- 数字で横並びにできること。 年齢区分、保証成分値、給与量、カロリー。「◯◯に配慮」のような表現だけの情報は、比べようがないので外しました
- 年齢の刻み方が公式ページで分かること。 メーカーを並べた順番も、価格や知名度ではなくこの条件で決めています
- 時点をはっきり書けること。 すべて2026年9月14日時点の掲載内容です。成分値も給与量も改定されます
そして、どれが向いているかは犬ごとに変わります。8歳で太り気味の小型犬と、13歳で食が細くなった子では、見る数字がそもそも違う。下の比較表は「あなたの子にはこれ」という結論ではなく、比べるための物差しとして使ってください。
うちの子の1日のカロリー、実は電卓で出せます 💰
ここからが実用パートです。環境省のガイドラインには、犬の必要カロリーの計算式が載っています。
必要カロリー(kcal/日)= 体重(kg)の0.75乗 × 係数
係数は、離乳期274、成犬中期200、成犬132。成犬の132を使うと、こうなります。
| 体重 | 成犬の必要カロリー(環境省・参考値) | 364kcal/100gのフードなら |
|---|---|---|
| 3kg | 約301kcal | 約83g |
| 5kg | 441kcal | 約121g |
| 10kg | 742kcal | 約204g |
| 15kg | 1,006kcal | 約276g |
| 20kg | 1,248kcal | 約343g |
| 30kg | 1,692kcal | 約465g |
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※5kg以上は環境省の参考値表の数字、3kgは式から計算。右列は本記事での換算です。
で、ここが面白いところ。 メーカーの給与量表と、この計算式の答えは合いません。
たとえばヒルズのサイエンス・ダイエット シニア 7歳以上 小粒は、364kcal/100g。公式の給与量表では体重5kgで1日90gです。90g=約328kcal。環境省の成犬式で出る441kcalより、25%以上少ない。
ロイヤルカナンのミニ アダルト 8+(393kcal/100g)も、体重4kgで68〜90g、6kgで93〜122g。5kgならおよそ80〜106g=314〜417kcalで、やはり441kcalには届きません。
FEDIAFの見解書も、エネルギーについてこう書いています。「In most cases, increasing age is associated with a reduced energy requirement(多くの場合、加齢はエネルギー要求量の低下をともなう)」。ただし「it can also be higher because of hormonal malfunctions(ホルモンの異常などで逆に高くなることもある)」とも書かれています。
環境省のガイドラインも「目安だけに頼らず、散歩等の運動量、体調などをよく観察して与える量を調節しましょう」と念を押しています。計算式もメーカーの表も出発点であって、答えではない。 出発点を決めたら、あとは体重の動きで微調整していく流れになります。
おやつの枠は、思っているより狭いです
環境省のガイドラインは、間食について「1日あたりに必要なカロリーの20%以内に抑えることが大切です」としています。
5kgの子で1日441kcalなら、おやつの上限は約88kcal。これ、ドライフードに換算すると24gぶんです。つまりおやつを1日88kcal分あげたら、その日のフードは24g減らすという計算になります。何もしなければ、その分がまるごと上乗せされる。
シニア期は運動量が落ちるぶん、この20%枠が効いてきます。うちの子が急に太り出したと感じたら、フードより先におやつの合計を数えてみると原因が見えることがあります。
体重より先に動くのは、触った感触です 🏥
体重計の数字は便利ですが、限界があります。同じ5.0kgでも、筋肉が落ちて脂肪が増えた5.0kgと、健康な5.0kgは中身が違うからです。
そこで使うのがBCS(ボディコンディションスコア)。環境省のガイドラインに5段階の判定表が載っています。見た目と触った感触で判定します。
やり方はシンプルです。肋骨を手のひらで軽くなでる。上から見て腰のくびれを確認する。横から見てお腹の吊り上がりを見る。 この3つを月1回、体重測定とセットでやる。
FEDIAFの見解書では、筋肉についてこう触れられています。「Muscle condition scoring systems are not yet sufficiently standardised, but assessment of muscle mass seems important in senior dogs(筋肉のスコアリングはまだ十分に標準化されていないが、高齢犬では筋肉量の評価が重要と思われる)」。
つまり、シニア期は「脂肪が減ったのか、筋肉が減ったのか」の区別がつきにくい。ここは飼い主が家で見分けるのは難しい部分です。BCSが2寄りに動いてきたと感じたら、その記録を持って動物病院で相談するのが現実的だと思います。
減量が必要と判断された場合について、環境省のガイドラインはこう書いています。「本格的なダイエットは、獣医師の指導の下で行う必要がありますが、軽度〜中度の肥満の場合には、与えるフードの量を通常の30〜40%減らして体重の変化をチェックします。1週間で体重が1〜3%減るくらいの割合で徐々に体重を減らしていくのが適当です」。同時に「与えるフードの量を40%以上減らすといった急激なダイエットは体に悪い影響を与える危険があります」とも書かれています。
シニア期は逆に「減りすぎ」の心配も出てきます。FEDIAFは「Underweight occurs when food intake is low in very old cats and dogs (> 12 years), for example due to dentition problems, multimorbidity or functional disorders(12歳超の非常に高齢な犬猫では、歯の問題や複数の疾患、機能障害などで摂取量が減り、低体重が生じる)」としています。
食べなくなった。どのくらいで動くべきか
シニア期の相談でいちばん多いのが、たぶんここです。
環境省のガイドラインは、犬で注意する点の筆頭に「食欲がない」を挙げたうえで、こう補足しています。「正常な犬でもフードを1〜2日間食べない個体もいますが、積極的に食べない場合には病気の前兆と考えて良いでしょう」。
食べ方の工夫については、FEDIAFの見解書に具体的な記述があります。「The daily ration should be given in 2-3 portions at fixed feeding times. Pouring warm water over dry food may improve acceptance for some dogs(1日分は決まった時間に2〜3回に分けて与えるとよい。ドライフードにぬるま湯をかけると受け入れが良くなる犬もいる)」。
嗅覚と歯についても触れられています。「In the case of very old dogs, the sense of taste and/or olfaction may decrease(非常に高齢の犬では、味覚や嗅覚が低下することがある)」「Changes in the digestive system, primarily tooth loss and gum diseases, can hinder food intake(歯の喪失や歯肉の病気が、食べることを妨げうる)」。
知恵袋には、13歳の子について「最近ドッグフードを食べたり食べなかったりで困っています」という相談がありました。回答のひとつが、工夫の具体例として実感がありました。「ふやかした半生フードをマッシャーやフォークを使い、徹底的に潰しました」。ぬるま湯でふやかすだけでなく、物理的に潰して食べやすくするという発想です。
ただし、その同じ質問に対する別の回答が釘を刺しています。心臓の悪い犬に市販の食パンを与えていいかという問いに、「市販の食パンは塩分=ナトリウムが少し高くなるのでやめたほうがよいです」。環境省のガイドラインも、犬猫が1日に摂る食塩の量は人間の3分の1程度でよいとしています。食べてくれるからといって人の食品に逃げるのは、別のリスクを持ち込むことになります。
持病がある子、薬を飲んでいる子の食事変更は、自己判断ではなく獣医師に相談してください。 特に療法食は、公正競争規約の定義でも「獣医療において獣医師の指導のもとで食事管理に使用されることを意図したもの」と明記されています。
水の量も、シニア期は見ておく価値があります
地味ですが、ここを飛ばす記事が多い印象です。
環境省のガイドラインには、犬が1日に必要な水分量の表が載っています。フードから摂る水分を含めた量です。
| 体重 | 1日に必要な水分量 | ドライフード(水分10%)から摂れる量 |
|---|---|---|
| 3kg | 260mL | 約8mL |
| 5kg | 370mL | 約12mL |
| 10kg | 630mL | 約20mL |
| 20kg | 1,060mL | 約34mL |
| 30kg | 1,440mL | 約47mL |
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※右列は本記事での概算です。
見ての通り、ドライフードから摂れる水分はごくわずか。ほぼ全部を飲み水で補うことになります。 一方、ウェットフードは水分含量が約75%。同じカロリーを摂るのにフードから入る水分量がまるで違います。
食欲が落ちてきた子にウェットやふやかしを足す話は「食べやすさ」の文脈で語られがちですが、水分摂取という別のメリットもある。ここは覚えておくと選択肢が広がります。
ちなみに環境省のガイドラインは、人間用のミネラルウォーターについて「マグネシウムなどのミネラルが多く含まれているものもあるため、犬や猫に与える場合は注意が必要です」としています。水道水が前提に置かれている、という書きぶりです。
切り替えるなら、1〜2週間かけてください
切り替え方については、環境省のガイドラインに明確な記述があります。Q&Aのシニアフードへの切り替えの項です。
従来の食餌に少しずつ混ぜながら移行することをお勧めします。(中略)特に健康に留意しスムーズに切り替えを行えるよう、慣れた食餌に少しずつ混ぜて、1〜2週間かけて徐々に切り替える事をお勧めします。
本文中のメモにも「ある年齢になったからといって、急にその年齢用のフードに切替えるのはあまり良いことではありません。(食べなれていないフードに急に切替えると、吐いてしまったり、下痢をすることもあります。)」と書かれています。
途中で軟便や嘔吐が出たら、前の割合に戻して日数を延ばす。急いで完了させる理由はどこにもありません。
環境省のガイドラインは、複数のフードを混ぜることについても触れています。フードに飽きやすい子には「日頃から数種類のフードをローテーションさせては」「同じ栄養組成の製品の中で味が異なるものに変えてみたり、ドライフード、ウエットフードを試したりするのが良いでしょう」と。シニア用一本に絞る必要はない、という読み方もできます。
実際の袋を比べると、何が違うのか
「シニア用」と書かれた3製品の公表値を並べてみます。どれも公式ページに載っている数字です。
| 製品 | 対象 | 目的表示 | たんぱく質 | 脂質 | カロリー |
|---|---|---|---|---|---|
| 愛犬元気 7歳以上用(ユニ・チャーム) | 7歳以上 | 成犬用総合栄養食 | 21.0%以上 | 9.0%以上 | 約350kcal/100g |
| ミニ アダルト 8+(ロイヤルカナン) | 小型犬8歳以上 | 犬用総合栄養食 | 25.0%以上 | 14.0%以上 | 393kcal/100g |
| ミニ エイジング 12+(ロイヤルカナン) | 小型犬12歳以上 | 犬用総合栄養食 | 24.0%以上 | 12.0%以上 | 385kcal/100g |
| SD シニア 7歳以上 小粒(ヒルズ) | 7歳以上 | 総合栄養食 | 19.1%※ | 14.6%※ | 364kcal/100g |
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※ヒルズの数値は公式ページに掲載されている乾物量(水分を除いた値)です。他社の保証成分値(水分を含んだ状態の下限値)とは基準が違うため、この列の数字だけで横並びに比較することはできません。2026年9月14日時点の公表値です。
比較表を作っていて、いちばん引っかかったのがこの注釈の部分です。同じ「粗たんぱく質◯%」という表記でも、保証成分値と乾物量分析値では意味が違う。 水分10%のドライフードなら、乾物量19.1%は保証成分値でおよそ17%台に相当します。袋の数字を並べて「A社のほうがたんぱく質が多い」と判断するのは、けっこう危うい。ここは正直、分かりにくいと感じました。
もうひとつ目を引くのが、ロイヤルカナンの8+と12+の差です。たんぱく質は25.0%→24.0%とほぼ据え置きで、脂質だけ14.0%→12.0%に下がっている。 カルシウムは1.1%→0.9%、リンは0.75%→0.60%。
これはFEDIAFの見解書の書きぶりと整合します。たんぱく質については「The protein supply should correspond to the recommendations for adult dogs for maintenance metabolism and should minimise the loss of lean body mass(たんぱく質の供給は成犬の維持代謝の推奨に沿うべきで、除脂肪体重の減少を最小限にすべき)」、ミネラルについては「the mineral supply should not exceed the recommendations for adults(ミネラルの供給は成犬の推奨を超えるべきではない)」。
つまり「シニアになったらたんぱく質を減らす」わけではない。脂質=カロリーを抑え、ミネラルを増やさない、というのが設計の骨格に見えます。


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数字の裏側:日本で飼われている犬の54.9%は、もう7歳以上です
ここが、このテーマでいちばん共有されていない数字だと思います。
一般社団法人ペットフード協会の全国犬猫飼育実態調査(2024年調査)によると、現在飼育されている犬の年齢構成は7歳以上が54.9%。頭数にすると約373万頭です。平均年齢は7.53歳。
| 年齢区分 | 構成比(2024年) | 推計頭数 |
|---|---|---|
| 0歳(幼年期) | 5.0% | 340千頭 |
| 1〜6歳(成年期) | 37.6% | 2,555千頭 |
| 7〜9歳 | 21.2% | 1,441千頭 |
| 10〜12歳 | 15.5% | 1,053千頭 |
| 13〜15歳 | 12.8% | 870千頭 |
| 16歳以上 | 2.5% | 170千頭 |
| 7歳以上 計 | 54.9% | 3,731千頭 |
← 表は横にスクロールできます →
そして平均寿命。同じ調査によれば、2024年の犬の平均寿命は14.90歳で、2010年比で+1.03歳。サイズ別では超小型15.13歳、小型14.78歳、中・大型14.37歳です。
この2つを並べると、7歳という線の意味が見えてきます。7歳は「終わりが近い」ではなく、「残り半分が始まる」地点です。平均で言えば、あと8年近くある。
だからこそ、7歳で慌てて何かを変えるより、7歳を「月1回の体重測定とBCSチェックを習慣にする年」にしたほうが効く、というのが調べた結論です。FEDIAFも「Moderate energy intake and optimal body condition at a younger age are associated with better health and lower prevalence and severity of metabolic disorders at older age(若いうちからの適度なエネルギー摂取と最適な体型は、高齢期のより良い健康状態と関連する)」と書いています。
ちなみにこの見解書には、ラブラドール・レトリーバーを対象にした研究の紹介もあって、「a 25 % restriction in food intake increased median life span and delayed the onset of signs of chronic disease(摂取量の25%制限が寿命の中央値を延ばし、慢性疾患の兆候の発現を遅らせた)」という結果が引かれています。太らせないことが、いちばん効くレバーだと読めます。
よくある質問
Q. 7歳になりました。今すぐ変えないといけませんか?
A. 年齢だけを理由に急ぐ根拠は、今回調べた範囲では見つかりませんでした。環境省のガイドラインも「老化のスピードには個体差があるため、すべての犬や猫がこの時期から高齢犬というわけではありません」としています。体重・BCS・食べ方のどれも変わっていないなら、まずは月1回の記録を始めるところからで足りると思います。
Q. シニア用と成犬用、何が一番違うんですか?
A. 公表値を比べた限りでは、いちばん差が出るのは脂質(=カロリー密度)です。ロイヤルカナンのミニ アダルト 8+と12+では、たんぱく質は25.0%→24.0%とほぼ変わらず、脂質が14.0%→12.0%に下がっていました。ミネラル(カルシウム・リン)も控えめになります。FEDIAFの見解書も、たんぱく質は成犬の推奨に沿うべきで、ミネラルは成犬の推奨を超えないように、としています。
Q. 「7歳以上用」を5歳の子が食べてしまいました。
A. 環境省のガイドラインは、犬と猫のフードの取り違えについて、単発で口にすることより「長期的には、特定の栄養素について過剰、不足が生じて健康上の問題を引き起こす可能性があります」という常態化のほうに注意を向けています。犬同士のライフステージ違いも考え方は同様で、給餌の時間や場所を分ける工夫が挙げられています。気になる様子があれば獣医師に相談してください。
Q. 全年齢対応(オールステージ)のフードなら、切り替えなくていい?
A. 施行規則の成長段階には「全成長段階又はオールステージ」という区分があります。ただしAAFCOの基準では、全ライフステージ対応の製品は成長・繁殖期の基準を満たす必要があり、成犬の維持に必要な量より多くの栄養を含むことになります。運動量が落ちた高齢期に、そのカロリー密度が合うかどうかは別問題です。体重の推移を見ながら、量で調整する前提になります。
Q. ふやかすと栄養が減りませんか?
A. ふやかすこと自体の栄養への影響について、今回調べた範囲の公的資料には記載がありませんでした。一方で環境省のガイドラインは、ウェットフードや手作りフードについて「フードボウルに出した後の酸化、腐敗、有害微生物の繁殖などといった品質の変化が、ドライフードに比べて早いため、出しっぱなしは避けましょう。給餌時間は20分程度を目安にしてください」としています。ふやかしたフードも同じ扱いにするのが無難です。
Q. サプリメントは足したほうがいいですか?
A. 環境省のガイドラインは「犬又は猫が健康で何の問題もなければ、サプリメントは特に必要なく、バランスのとれたフードを与えることで十分と思われます」としたうえで、「必要な場合は、それぞれの犬や猫が本当に補う必要のある栄養成分を獣医師に相談の上、サプリメント等を与えることをお勧めします」と書いています。特にカルシウムについては、総合栄養食を与えていれば足りる設計になっている、と明記されています。
この記事のまとめ
- 日本のペットフード表示ルールに「高齢犬期」という成長段階の区分はありません。 施行規則第4条が挙げるのは哺乳期・妊娠期/授乳期・幼犬期/成長期・成犬期/維持期・全成長段階の5つ。「シニア用」の袋も、目的表示は「成犬用総合栄養食」であることが多いです
- 何歳からシニアかは出典で6歳〜12歳までバラける。 FEDIAFは大型犬5〜8歳・小型犬約10歳、環境省は大型6〜7歳・小型8〜10歳、ロイヤルカナンは小型8歳と12歳、ヒルズとユニ・チャームは7歳・10歳・13歳
- 判断材料は年齢ではなく、体重・BCS・食べ方の3つ。 月1回、体重計に乗せて肋骨と腰のくびれを触る。これを習慣にするのが、7歳でやるべきいちばん現実的なこと
- 必要カロリーは電卓で出せる。 成犬なら「132 × 体重(kg)の0.75乗」。おやつはその20%以内。ただしメーカーの給与量表はこれより2〜3割少ないことがあり、どちらも出発点にすぎません
- 切り替えるなら1〜2週間かけて。 急な切り替えは嘔吐や下痢の原因になり得ます。途中で崩れたら前の割合に戻して日数を延ばす
- 日本の犬の54.9%はすでに7歳以上で、平均寿命は14.90歳。 7歳は終わりではなく折り返しです
次にやること:今日、体重を測って、数字とその日の日付をスマホのメモに残してください。 1回目の記録は何の意味も持ちませんが、3か月後に意味を持ちます。体重が動いた・BCSが変わった・食べ残すようになった、のどれかが出たら、その記録を持って動物病院で相談する。フードの袋を変えるかどうかは、そのあとで決めても遅くありません。
調べたもと(出典 18件)
- 飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~(第二版)環境省 自然環境局総務課動物愛護管理室・確認日 2026-09-14
- ペットフードの表示に関する公正競争規約(令和4年9月28日 公正取引委員会・消費者庁 告示第8号)ペットフード公正取引協議会・確認日 2026-09-14
- ペットフードの表示に関する公正競争規約施行規則(令和4年9月7日 承認)ペットフード公正取引協議会・確認日 2026-09-14
- 公正競争規約に基づく必要表示事項及び表示制限についてペットフード公正取引協議会・確認日 2026-09-14
- 03.ペットフードの目的について|表示の基礎知識ペットフード公正取引協議会・確認日 2026-09-14
- AAFCO Dog Food Nutrient Profiles(Growth & Reproduction / Adult Maintenance の2区分)Association of American Feed Control Officials (AAFCO)・確認日 2026-09-14
- FEDIAF Scientific Advisory Board Statement - Nutrition of senior dogs (November 2017)FEDIAF(欧州ペットフード工業会連合)・確認日 2026-09-14
- Nutritional RequirementsFEDIAF(欧州ペットフード工業会連合)・確認日 2026-09-14
- 全国犬猫飼育実態調査 主要指標サマリー(2024年調査/犬の平均寿命・年齢構成比)一般社団法人ペットフード協会・確認日 2026-09-14
- ヒルズ サイエンス・ダイエット シニア 7歳以上 小粒 高齢犬用 チキン日本ヒルズ・コルゲート株式会社・確認日 2026-09-14
- ヒルズ サイエンス・ダイエット 高齢犬用ドッグフード ラインナップ日本ヒルズ・コルゲート株式会社・確認日 2026-09-14
- ミニ アダルト 8+(小型 高齢犬用 ドライ)ロイヤルカナン ジャポン・確認日 2026-09-14
- ミニ エイジング 12+(室内 小型 高齢犬用 ドライ)ロイヤルカナン ジャポン・確認日 2026-09-14
- 健康な犬のカテゴリーページ(サイズ区分と高齢期の開始年齢)ロイヤルカナン ジャポン・確認日 2026-09-14
- 愛犬元気 7歳以上用(成犬用総合栄養食)ユニ・チャーム株式会社・確認日 2026-09-14
- フード|犬の商品を探す(7歳以上用・10歳以上用・13歳以上用のラインナップ)ユニ・チャーム株式会社・確認日 2026-09-14
- ドッグフードの成犬用とシニア用ってありますが、成犬用をシニア犬に与えたら何か体に悪い影響が出てしまうのでしょうか?Yahoo!知恵袋・確認日 2026-09-14
- 老犬の食事について(13歳・食べたり食べなかったり)Yahoo!知恵袋・確認日 2026-09-14
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