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ドッグフードのリコール履歴の調べ方|農水省の公表ページ確認手順5つ

ドッグフードの回収情報は一箇所にまとまっていません。メーカー公式・FAMICの注意喚起・農林水産省の検査結果公表・消費者庁・FDAの5つを、確認しやすい順に比較。実際の公表PDFの中身と、対象品を与えてしまったときの動き方まで手順化しました。

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ドッグフードのリコール履歴の調べ方|農水省の公表ページ確認手順5つ

いつものフードの袋を手に取ったとき、ふと「これ、回収になってたりしないよね?」と思ったことはありませんか。

SNSで「このフード危ないらしい」という話が流れてきて、でも出どころが分からない。メーカーのサイトを開いても、それらしいお知らせが見当たらない。結局モヤモヤしたまま、いつも通り与える——というパターン、けっこうあると思います。

時間がない人向けに、先に結論を3行で。

  • 国産の市販フードなら、まずメーカー公式の「お知らせ」欄。ここが一番速くて、ロット番号まで載ります
  • 輸入のプレミアムフードなら、FAMICの「Q&A・注意喚起等」。海外の自主回収を日本語でまとめてくれています
  • 成分の検査結果を実名で見たいなら、農林水産省の「愛玩動物用飼料の検査結果の公表」。ここは他所がほとんど紹介していません

そして最初に言っておくべきことがひとつ。日本には「ドッグフードのリコール一覧」という国のページが存在しません。 ここが分かっていないと、いくら探しても見つからなくて当然です。


この記事の目次
  1. なぜ探しても見つからないのか 🐾
  2. 確認先5つを横並びで比較 💰
  3. 1位:メーカー公式の「お知らせ」欄が、結局いちばん速い 🏥
  4. 2位:FAMICの「Q&A・注意喚起等」は、名前でだいぶ損してる 📋
  5. 3位:農水省の「検査結果の公表」は、実名が出ているのが異常に貴重 💰
  6. 4位:消費者庁のリコール情報サイト。ペットフードの区分が無い 📋
  7. 5位:米国FDAは、情報の上流にいる 🦴
  8. 実際の確認手順:5分で回る順番 🐾
  9. 農水省の公表PDFを実際に開いてみた 📋
  10. ついでに、何を基準に「違反」と判定しているのか
  11. 「これ、うちの子に食べさせちゃったかも」というとき 🏥
  12. よくある質問 🦴
  13. この記事のまとめ

なぜ探しても見つからないのか 🐾

ペットフードのルールは、2009年6月に施行された「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律」(通称ペットフード安全法)で決まっています。犬と猫のフードが対象です。

この法律で、国は成分規格と製造方法の基準を決め、それに合わないものの製造・輸入・販売を禁止しています。基準に合わないものが出回っていれば、廃棄や回収を命じる権限も国にあります(環境省「ペットフード安全法の概要」)。

ここまで読むと「じゃあ国が回収リストを持ってるはず」と思いますよね。ところが、農林水産省の事業者向けページを実際に開いてみると、そこにあるのは届出マニュアル、製造・衛生管理のガイダンス、表示チェックシート、関係法令、そして検査結果の公表。「回収」「自主回収」という項目立てのページはありません。

関東農政局のペットフードのページも同じで、法律の説明と届出の手続きだけです。

つまり、情報は次の3か所に散らばっています。

回収の情報は、この3か所に分かれて出ます メーカー公式 お知らせ/ニュース欄 国内で売られた品の 自主回収・交換のお知らせ ロット番号まで載る ただし各社を自分で回る必要あり FAMIC・農林水産省 注意喚起/検査結果の公表 海外の回収情報の翻訳と、 国内の抜き取り検査の結果 15年分がアーカイブ 国内メーカーの自主回収は基本載らない 海外の当局(FDA等) Recalls & Withdrawals 米国での回収を、 日本より数日早く掲載 いちばん元ネタに近い 英語・米国流通品が中心

この3つを、見る順番を決めて回る。それだけで「探しても見つからない」状態からは抜けられます。

選び方の基準

以下で確認先を5つ並べますが、その前に基準を先に出しておきます。何を良いとしたのか分からないランキングは、読む意味がないので。

# 見た点 なぜ見たか
1 飼い主が無料で直接見られるか 事業者向けの届出システムは対象外にした
2 日本国内で売られた製品が載るか 米国だけの回収情報では、うちの子の袋は照合できない
3 更新の速さ 回収は「今日それを与えるかどうか」の話
4 ロット番号・賞味期限まで特定できるか ここが無いと、同じ商品名でも対象かどうか分からない
5 一覧性・探しやすさ 過去にさかのぼって調べられるか

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報酬の有無は順位に一切関係ありません。この記事で紹介する5つはすべて公的機関かメーカーの無料ページです。

そして先に書いておくと、1位が全員にとっての正解ではありません。 国産の大手ブランドを使っているなら1位だけで足りますし、輸入のプレミアムフード派なら2位と5位を先に見たほうが早いです。

どこに何が載るか(カバー範囲) 国内メーカーの 自主回収 海外の回収・ 注意喚起 国の抜き取り 検査の結果 ロット メーカー公式のお知らせ ◎ × × ◎ FAMIC 注意喚起 × ◎ × ◎ 農水省 検査結果の公表 × × ◎ △ 消費者庁 リコール情報サイト △ × × △ 米国FDA × ◎ × ◎ ◎=ここで分かる / △=載ることもある / ×=基本載らない

確認先5つを横並びで比較 💰

料金はかかりません。全部無料で見られます。

順位 確認先 更新頻度 国内品 ロット特定 一覧性 弱点
1 メーカー公式「お知らせ」 事案発生時すぐ ◎ ◎ × 会社ごとに見に行く手間
2 FAMIC「Q&A・注意喚起等」 年5〜9件ほど × ◎ ◎ 中身はほぼ海外案件
3 農水省「検査結果の公表」 毎月1回 ◎ △ ◎ 回収一覧ではない/約2か月遅れ
4 消費者庁 リコール情報サイト 随時 △ △ ○ ペットフードの区分が無い
5 米国FDA ほぼ毎週 × ◎ ◎ 英語/米国流通品

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以下、1つずつ。向いている人と弱点をセットで書きます。

1位:メーカー公式の「お知らせ」欄が、結局いちばん速い 🏥

国内で買ったフードについては、これ以上に速くて正確な情報源はありません。

たとえばユニ・チャームのお知らせ一覧を開くと、2026年1月23日付で「グラン・デリ100%国産鶏肉パウチほぐし 成犬用ビーフ&なんこつ80g×4袋」の混在に関する告知が出ています。中身は、外装に書かれた「ほぐし成犬ビーフ」「ほぐし成犬なんこつ」とは違う「ほぐし13歳野菜」のパウチが混ざっていた、というもの。原因は外部委託先の梱包工程のミスと説明されており、対象はJANコード4520699603239、ロット番号「2027.11 A2521271」と1本に特定されています。対応は適正品への交換で、窓口の電話番号も載っています。

ユニ・チャーム(ペット)のお知らせ一覧
ユニ・チャーム(ペット)のお知らせ一覧(jp.unicharmpet.com・2026-10-12時点の画面)

もうひとつ、2026年7月31日には株式会社リーフコーポレーションが犬猫用レトルト製品の回収を告知しています。内容物の品質についての申し出があり、2026年6月18日〜7月29日に販売された対象ロットを回収するというもの。告知には「現時点において、本件に関連する健康被害は確認されておりません」と書かれています。

リーフコーポレーションの回収告知
リーフコーポレーションの回収告知(leaf-corp.jp・2026-10-12時点の画面)

この2つを見て思ったのは、国内メーカーの自主回収は、国のどのページにも出てこないということ。FAMICの注意喚起一覧にも、農水省の検査結果公表にも、この2件は載っていません。だから1位なんです。

👍 向いている人

国産・国内流通のフードやおやつを使っている人。とくに大手ブランド。 弱点:ブランドを3つ4つ併用していると、そのぶんサイトを回ることになります。ブックマークを作っておくのが現実的です。

2位:FAMICの「Q&A・注意喚起等」は、名前でだいぶ損してる 📋

農林水産消費安全技術センター(FAMIC)という独立行政法人があります。ここのペットフードのコーナーに、海外での自主回収を日本語でまとめたPDFが、年度ごとにずらっと並んでいます。

正直、このページ名が「Q&A・注意喚起等」なのは分かりにくいと思いました。中身の大半は海外リコールの速報なので、「海外リコール情報」と書いてあれば探せる人がもっといるはずです。ここが2位止まりなのは内容ではなく、たどり着きにくさのせいでもあります。

FAMICの「Q&A・注意喚起等」
FAMICの「Q&A・注意喚起等」(famic.go.jp・2026-10-12時点の画面)

掲載は平成23年(2011年)6月から令和8年(2026年)9月まで。年度ごとに数えると通算90件前後あります。理由で多いのはサルモネラ汚染、次いでビタミンDの過剰・欠乏、金属片の混入、リステリア、ヒスタミン。国でいうと米国が圧倒的で、ほかにドイツ、英国、ニュージーランド、ベルギー、韓国、中国産ジャーキーの案件が混じります。

中身がどれくらい具体的か、直近のものを1件開いてみます。令和8年9月9日付「サルモネラ汚染の可能性がある犬用サプリメントの自主回収について(米国・情報提供)」。農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課からペットフード協会など3団体あての事務連絡で、こう書かれています。

アメリカ食品医薬品局(FDA)の令和8年9月8日付け公表によると、米国において、別紙のサルモネラ汚染の可能性がある犬用サプリメントの自主回収が行われていますので、お知らせします。 現在のところ、当該製品の日本国内での流通は確認されていませんが、念のため、ペットフードの輸入や国内流通の際には当該情報に御留意くださいますようお願いいたします。

別紙には販売業者名(Vet Plus, Inc)、製品名(Fi Calming supplement for Dogs 180 g / Fi 8-in-1 Formula supplement for Dogs 180 g)、ロット番号(26118 / 26159)、UPCコード、そしてパッケージの写真まで載っています。ここまで出ていれば、手元の袋と照合できます。

FDA公表の翌日に日本語で出ている、という速さも地味にすごい。

👍 向いている人

並行輸入品や海外ブランドのフード・サプリを使っている人。過去にさかのぼって調べたい人。 弱点:国内メーカーの自主回収は載りません。そして多くの告知に「日本国内での流通は確認されていません」と書かれている通り、日本の店頭で買ったものが該当するケースは多くありません。

3位:農水省の「検査結果の公表」は、実名が出ているのが異常に貴重 💰

ここが、他のサイトがまず紹介しない場所です。

農林水産省は毎月、ペットフード安全法にもとづいて抜き取り検査(集取)した製品の結果を公表しています。ページは「愛玩動物用飼料の検査結果の公表」。令和5年度から令和8年度まで、月ごとのPDFが並んでいます。

農林水産省「愛玩動物用飼料の検査結果の公表」
農林水産省「愛玩動物用飼料の検査結果の公表」(maff.go.jp・2026-10-12時点の画面)

何が書いてあるか。製造業者・輸入業者・販売業者の別と会社名、法人番号、犬用か猫用か、製品名(内容量まで)、賞味期限、試験項目、そして「違反の有無及び違反の内容」。 ブランド名も商品名もそのまま出ています。

これは回収一覧ではありません。回収の情報を探して開くと肩透かしを食らいます。でも「うちのフードのメーカー、国の検査を受けたことある?そのとき何が出た?」を実名で確かめられる場所は、ここ以外に思い当たりません。

👍 向いている人

フードの安全性を、レビューではなく検査データで確かめたい人。 弱点:あとで詳しく書きますが、集取から公表まで約2か月かかります。速報性はゼロです。月に十数点しか載らないので、うちの子のフードが載っている確率も高くありません。

4位:消費者庁のリコール情報サイト。ペットフードの区分が無い 📋

消費者庁が各省庁のリコール情報を集約しているサイトです。カテゴリは食料品・家電製品・住居品・文具・娯楽用品・光熱水品・被服品・保健衛生品・車両・乗り物・建物・設備・その他の10区分。ほかに「高齢者向け」「こども向け」の切り口もあります。新規登録・更新分をメールで受け取るサービスもあります。

消費者庁リコール情報サイト
消費者庁リコール情報サイト(recall.caa.go.jp・2026-10-12時点の画面)

ただ、カテゴリの一覧に「ペットフード」という区分はありません。 食料品の一覧を開いても、並ぶのは人が食べる食品です。

これは正直、意外でした。全省庁のリコールを一元化するサイトなのに、ペットフードが独立した区分を持っていない。飼い主の側から見ると「探せない」に近い状態です。事業者名や商品名でのキーワード検索は使えるので、メーカー名が分かっているなら打ち込んでみる価値はあります。

👍 向いている人

メーカー名が分かっていて、横断的に調べたい人。リコール全般のメールを受け取っておきたい人。 弱点:ペットフードの網羅性は期待できません。ここだけを見て「載っていないから大丈夫」と判断するのは無理があります。

5位:米国FDAは、情報の上流にいる 🦴

FAMICの注意喚起の多くは「FDAの公表によると」で始まります。つまり元ネタはFDAです。

FDAの「Animal & Veterinary Recalls & Withdrawals」には、日付・ブランド名・製品説明・回収理由・企業名が表形式で並んでいます。フィルタで期間を絞れて、XLSXでのダウンロードもできる。RSSの購読リンクもあります。

FDAのAnimal & Veterinary Recalls & Withdrawals
FDAのAnimal & Veterinary Recalls & Withdrawals(fda.gov・2026-10-12時点の画面)

2026年9月時点だと、先ほどのFiのサプリメント(サルモネラ汚染の可能性)や、Northwest Naturalsのチキンレシピ(リステリア汚染の可能性)が載っています。

👍 向いている人

米国ブランドを個人輸入している人。数日でも早く知りたい人。 弱点:英語です。そして米国で流通した製品が対象なので、日本の正規輸入品のロットとは一致しないことがあります。日本語で読みたいなら2位のFAMICを待つほうが確実です。

実際の確認手順:5分で回る順番 🐾

袋を手に持った状態から始めます。

袋を手に持ったところから、この順番で 1 袋の「賞味期限」と「ロット番号」を書き写す スマホで撮るのがいちばん早い。袋の裏面か側面、底の折り返しにあります 2 メーカー公式サイトの「お知らせ」を開く トップページ下部か、ニュース/インフォメーションの欄。日付順に並んでいます 3 輸入品なら FAMIC「Q&A・注意喚起等」を年度順に見る 件名に製品名は出ません。PDFを開くと別紙にロットと写真があります 4 消費者庁リコール情報サイトでメーカー名を検索 ペットフードの区分は無いので、会社名か商品名で打ち込みます 5 見つからなければ、メーカーのお客様相談窓口にロット番号を伝えて聞く

ステップ1が一番大事です。回収の対象は「商品名」ではなく「ロット」で切られます。 同じ商品名でも、対象ロットでなければ回収の対象外。だからロット番号が分からないと、告知を読んでも判断できません。

ペットフード安全法では、犬猫用フードのパッケージに名称・原材料名・賞味期限・事業者名や住所・原産国名の5つを表示することが義務づけられています(2010年12月から)。ロット番号はこの5項目には入っていませんが、賞味期限の近くに製造記号として印字されているものがほとんどです。

ステップ5を面倒がらないでほしいです。窓口に電話して「この賞味期限とロットは回収対象ですか」と聞けば、それが一番早くて確実です。ユニ・チャームの告知には0120で始まる相談センターの番号(受付9:30〜17:00、土日祝を除く)が書かれていました。

農水省の公表PDFを実際に開いてみた 📋

ここからは、他所の記事ではまず見ない話です。3位で挙げた検査結果の公表PDF、実際に中身を見てみます。

開いたのは令和8年6月に集取した分(公表日:令和8年8月27日)。冒頭にこうあります。

愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律(平成20年法律第83号)第12条第5項(第13条第5項において準用する場合を含む。)の規定により、令和8年6月に集取した愛玩動物用飼料の検査結果の概要を次のとおり公表する。

3ページで、載っていた製品は13点。抜粋するとこんな具合です。

事業者の別 対象 製品名 試験項目 違反
販売者・ドギーマンハヤシ 犬用 絹紗 ビーフカット プレーン 100g カドミウム、鉛、無機砒素 無
輸入者・アース・ペット 犬用 ファーストチョイス チョイスSアレルゲンケアに 600g グリホサート 無
輸入者・ウェルペット・ジャパン 犬用 ウェルネス コア おなかのサポート&ケア 800g アフラトキシンB1 無
輸入者・日本ヒルズ・コルゲート 犬用 サイエンスダイエット 小型犬用シニア10歳以上 チキン1.5kg アフラトキシンB1、グリホサート 無
販売者・株式会社N.P.S 犬用 ビーフジャーキー スティックタイプ 国産 1.2kg 亜硝酸ナトリウム、カドミウム、鉛、無機砒素 無

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もう1本、令和7年9月集取分(公表日:令和7年11月27日)も開きました。こちらは4ページ、15点。ニュートロ シュプレモ(マースジャパン)、オールウェル(ユニ・チャーム)、コンボ(日本ペットフード)といった見慣れた名前が並び、試験項目にはアフラトキシンB1に加えてBHC、DDT、アルドリン・ディルドリン、エンドリン、ヘプタクロルといった有機塩素系化合物が入っています。

この2か月分、28点すべてで「違反の有無及び違反の内容」の欄は「無」でした。 これは今回開いた2本のPDFの範囲での話で、他の月がどうかは個別に確認する必要があります。

ここで気づいてほしいのが、集取から公表までの時間です。

集取してから公表まで、およそ2か月 令和8年6月 店頭などで集取 (抜き取り) 7月〜8月 分析・とりまとめ 8月27日 大臣名で公表 PDFで一般公開 → 速報として使う場所ではない。過去の裏取りに使う

令和7年9月集取分は11月27日公表なので、こちらは約2か月半。このページを「今日の回収情報」を探す場所として使うと、必ず空振りします。 使い道は逆で、「このメーカー、国の検査で何を見られて、どういう結果だったのか」を後追いで確かめること。レビューサイトの評価とは別軸の材料になります。

ついでに、何を基準に「違反」と判定しているのか

環境省が公表している成分規格の上限値も見ておきます。単位のμg/gは「1グラムあたり何マイクログラム」で、ppmと同じです。

区分 物質 上限
かび毒 アフラトキシンB1 0.02μg/g
かび毒 デオキシニバレノール 犬用2、猫用1μg/g
重金属等 カドミウム 1μg/g
重金属等 鉛 3μg/g
重金属等 無機砒素 2μg/g
農薬 グリホサート 15μg/g
農薬 メタミドホス 0.2μg/g
添加物 亜硝酸ナトリウム 100μg/g
添加物 エトキシキン 犬用75μg/g
汚染物質 メラミン 2.5μg/g
有機塩素系 BHC、アルドリン・ディルドリン、エンドリン、ヘプタクロル等 各0.01μg/g

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体重5kgの犬が1日100gのドライフードを食べるとして、アフラトキシンB1の上限0.02μg/gは「1日に摂る量が2μgを超えない」ライン。この数字がどう健康に効くかは別の議論なので、ここでは「検査はこの線で合否を出している」という事実だけ押さえてください。

製造方法の基準もあって、猫用へのプロピレングリコールの使用は禁止されています。犬用のフードを猫が食べることを考えると、この違いは覚えておく価値があります。

なお、法律とは別に、業界には「ペットフードの表示に関する公正競争規約」という自主ルールもあります。運用しているのはペットフード公正取引協議会。「無添加」「ナチュラル」「高」「豊富」といった言葉をどういう条件で使ってよいかが決まっていて、こちらは表示の適正さの話です。回収とは別軸ですが、袋の文言が気になるときはこの規約が判断のよりどころになります。

「これ、うちの子に食べさせちゃったかも」というとき 🏥

告知を読んで、手元の袋が対象だったら。

対象ロットだったかも、というとき まず与えるのをやめて、 袋とレシートを捨てずに取っておく いつもと違う様子がある 嘔吐・下痢・食欲低下・ぐったり など 動物病院に連絡する 商品名・ロット・与えた量と 期間を伝えられるように とくに変わった様子はない それでも自己判断で終わらせない メーカー窓口に連絡 回収・交換・返金の手続きと、 気になる点を確認する 判断に迷うときは、かかりつけの獣医師に相談してください

袋を捨てないでください。ロット番号と賞味期限が残っていれば、メーカーも獣医師も話が早くなります。開封済みで中身が残っているなら、それも取っておくと検査に回せることがあります。

体調に変化があるかどうかの判断はご自身でしないほうがいいです。回収の理由(細菌なのか、栄養素の過不足なのか、異物なのか)によって出方が変わりますし、症状が出るまで時間がかかるものもあります。気になる点があれば、かかりつけの獣医師に相談してください。

それと、ペットフードの安全について飼い主が相談できる公的な窓口もあります。農林水産省のページに地方環境事務所の一覧があり、たとえば関東地方環境事務所(さいたま市中央区)は048-600-0516です。北海道から沖縄・奄美まで11か所が載っています。製造業者・輸入業者向けの窓口は地方農政局、技術的な質問はFAMIC、と分かれているので注意してください。

よくある質問 🦴

Q. 日本語で「ドッグフード リコール一覧」みたいなページはないんですか?

国のページとしては見つかりませんでした。個人サイトやまとめサイトで一覧を作っているところはありますが、更新が止まっていたり、出典が示されていなかったりします。上に書いた5か所を自分で回るのが確実です。

Q. 農水省の検査で「違反 無」なら、そのフードは大丈夫ということ?

そうは読めません。あの表は「その月に集取した、その1点の製品を、その試験項目について調べた結果」です。調べていない項目や、別のロット、別の時期のことは何も言っていません。検査結果は判断材料のひとつであって、結論ではない、という距離感で見るのがいいと思います。

Q. リコールと自主回収は違うんですか?

日本の法律上、ペットフード安全法には「廃棄・回収命令」という国からの命令があります(環境省の概要ページに記載)。一方、実際に多いのはメーカーが自分の判断で行う自主回収です。この記事で挙げた2026年の2件も、どちらも自主回収でした。飼い主の側から見ると「対象ロットが発表されて、止めるかどうかを決める」という点で扱いは同じです。

Q. メールやアプリで通知を受け取れませんか?

消費者庁のリコール情報サイトには、新規登録・更新分を受け取れるメールサービスがあります。ただしペットフードの区分が無いので、通知が来る保証はありません。FDAのページにはRSSの購読リンクがあります。あとは、使っているメーカーの公式SNSをフォローしておくのが現実的です。

Q. 海外からの並行輸入品は、どこを見ればいい?

FAMICの注意喚起とFDAの両方です。並行輸入品は日本の正規代理店を通っていないので、国内メーカーのお知らせには載りません。購入した通販サイトからの連絡にも期待しづらいので、自分で見に行く必要があります。

Q. ロット番号が袋のどこにも見当たりません。

賞味期限の印字の近くを探してみてください。アルファベットと数字の組み合わせで、賞味期限と同じ行に続けて打たれていることが多いです。ユニ・チャームの告知の例だと「2027.11 A2521271」のような書き方でした。見つからない場合は、袋を撮った写真を用意してお客様相談窓口に問い合わせるのが早いです。

この記事のまとめ

  • 国が運営する「ドッグフードのリコール一覧」は存在しません。 情報はメーカー・国・海外当局の3か所に分かれています
  • 国内品ならメーカー公式のお知らせが最速。 2026年だけでもユニ・チャーム(1月23日・商品混在)、リーフコーポレーション(7月31日・レトルト回収)が告知を出しています
  • 輸入品ならFAMICの「Q&A・注意喚起等」。 2011年から通算90件前後のPDFがアーカイブされ、ロット番号と製品写真まで載っています
  • 農林水産省の「愛玩動物用飼料の検査結果の公表」は、実名入りの検査データが毎月出る貴重な場所。 ただし集取から公表まで約2か月。速報には使えません
  • 回収の対象は商品名ではなくロットで切られます。 袋の賞味期限とロット番号を先に控えるのが、全部の入り口です

次にやること: いま使っているフードの袋を1枚撮ってください。賞味期限とロット番号が写っていれば十分です。そのうえでメーカー公式サイトの「お知らせ」をブックマークしておけば、次に不安になったとき30秒で確認が終わります。

価格や表示のルール、各ページの構成は2026年9月13日時点で確認したものです。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。

調べたもと(出典 21件)
  1. ペットフードの安全関係(ペットフード安全法 事業者のみなさま向けページ)農林水産省・確認日 2026-09-13
  2. 愛玩動物用飼料の検査結果の公表農林水産省・確認日 2026-09-13
  3. 公表(令和8年6月に集取した愛玩動物用飼料の検査結果の概要)農林水産省・確認日 2026-09-13
  4. 公表(令和7年9月に集取した愛玩動物用飼料の検査結果の概要)農林水産省・確認日 2026-09-13
  5. ペットフード Q&A・注意喚起等農林水産消費安全技術センター(FAMIC)・確認日 2026-09-13
  6. サルモネラ汚染の可能性がある犬用サプリメントの自主回収について(米国・情報提供)農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課・確認日 2026-09-13
  7. ペットフード(FAMIC ペットフード関係トップ)農林水産消費安全技術センター(FAMIC)・確認日 2026-09-13
  8. 試験結果の公表(ペットフード)農林水産消費安全技術センター(FAMIC)・確認日 2026-09-13
  9. 愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律(ペットフード安全法)環境省・確認日 2026-09-13
  10. ペットフード安全法 基準・規格環境省・確認日 2026-09-13
  11. ペットフード安全法の概要環境省・確認日 2026-09-13
  12. リコール情報サイト消費者庁・確認日 2026-09-13
  13. リコール情報サイト 商品情報一覧(食料品)消費者庁・確認日 2026-09-13
  14. お知らせ一覧ユニ・チャーム・確認日 2026-09-13
  15. 「グラン・デリ100%国産鶏肉パウチほぐし 成犬用ビーフ&なんこつ80g×4袋」商品の混在についてユニ・チャーム・確認日 2026-09-13
  16. 犬猫用レトルト製品の商品回収に関するお詫びとお願い株式会社リーフコーポレーション・確認日 2026-09-13
  17. Animal & Veterinary Recalls & WithdrawalsU.S. Food and Drug Administration・確認日 2026-09-13
  18. ペットの飼い主のみなさまからのお問い合わせ先(地方環境事務所)農林水産省・確認日 2026-09-13
  19. ペットフード公正取引協議会ペットフード公正取引協議会・確認日 2026-09-13
  20. ペットフードの表示一般社団法人ペットフード協会・確認日 2026-09-13
  21. ペットフードに関する情報農林水産省 関東農政局・確認日 2026-09-13

価格や条件は変わることがあります。購入前に各公式ページで、体のことはかかりつけの獣医師にご確認ください。 調べ方と広告の扱いは運営者情報・編集方針に書いています。

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