フード

ドッグフードのミール・副産物とは|表示の定義と誤解を公的資料で確認

「チキンミール」「肉副産物」は本当に避けるべき原材料なのか。ペットフード公正競争規約・ペットフード安全法・AAFCOの定義を原文で確認し、日本の袋の読み方と、ミールをどう扱うかの線引きをまとめました。

この記事には広告(アフィリエイトリンク)が含まれます。 リンク経由で購入や申し込みがあった場合、当サイトに報酬が入ることがあります。 紹介する順番や評価は報酬額では決めていません。

ドッグフードのミール・副産物とは|表示の定義と誤解を公的資料で確認

袋の裏をひっくり返して、原材料名の2番目に「肉類(チキンミール、牛肉粉…)」と書いてあるのを見つけた。検索したら「ミールは避けろ」という記事がずらっと出てきて、手が止まる。……この流れ、たぶん一度は通りますよね。

この記事の結論

結論から言うと、こうです。

  1. 「ミール」は加工方法の名前で、品質のランクではありません。 肉を加熱・乾燥して粉にしたもの、というだけの意味です。
  2. 日本の袋に「肉副産物」と書かれることはほぼありません。 公正競争規約に「副産物」という分類名が存在しないからです。「ミールは副産物だ」という説明は、日本の表示ルールの話としては成り立ちません。
  3. ただし「チキンミール」という4文字から部位や原料の等級は読み取れません。 そこが不安の正体で、その不安自体は的外れではありません。

以下、規約の条文とAAFCOの定義を実際に開いて、どこまでが事実でどこからが推測なのかを分けていきます。

この記事の目次
  1. 🦴 そもそも「ミール」って何をしたもの?
  2. 📋 日本の袋に「副産物」と書かれない理由
  3. 生肉が1番目=肉が多い、とは限らない
  4. 🏥 袋のどこを見ればいいのか
  5. 公的資料から拾った、あまり語られない5つの事実
  6. それでも「ミールは避けたい」と思ったときの線引き
  7. よくある質問 🐾
  8. この記事のまとめ

🦴 そもそも「ミール」って何をしたもの?

ミールは、肉を加熱・加圧して脂と水分を抜き、乾燥させて粉にしたものです。工程の名前であって、原料の格付けではありません。

AAFCO(米国飼料検査官協会)の解説ページには、レンダリング工程についてこう書かれています。「During rendering, heat and pressure remove most of the water and fat, leaving primarily protein and minerals(レンダリングでは熱と圧力によって水分と脂肪の大半が取り除かれ、主にたんぱく質とミネラルが残る)」。また、レンダリングされた原材料は「有害な細菌を破壊するために加熱されてから、ペットフード工場へ出荷される」とも記載されています。

AAFCOが公開している原材料名の定義解説ページ
AAFCOが公開している原材料名の定義解説ページ(aafco.org・2026-10-12時点の画面)
生の肉・骨・皮 水分が多く、重い 傷みやすい 加熱・加圧 水分と脂を分離 細菌も加熱処理される 乾燥・粉砕=ミール たんぱく質が濃縮される 軽く、保存しやすい 「ミール」は加工方法の呼び名。原料の等級を表す言葉ではない 出典:AAFCO「What's in the Ingredients List?」の記載をもとに作図

水分が抜けるので、同じ重さで比べたときのたんぱく質の割合は生肉より高くなります。メーカーにとっては、栄養設計のブレが小さくなり、輸送も保管もしやすい。逆に言えば、ミールを使う理由はコスト削減「だけ」ではありません。

ちなみに日本の表示でも「ミール」は肉に限りません。規約の分類名の例示を見ると、穀類の例に「コーングルテンミール」、豆類の例に「大豆ミール」、魚介類の例に「フィッシュミール」が並びます。トウモロコシを粉にしてもミール、大豆でもミール。そう考えると、「ミール=よくない肉」という読み方はそもそも無理があるんですよね。

📋 日本の袋に「副産物」と書かれない理由

先に答えを置きます。ペットフードの表示に関する公正競争規約には、「副産物」という原材料の分類名が存在しないからです。

この規約は、景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)第31条にもとづいて業界が自主的に定め、公正取引委員会と消費者庁の認定を受けたルールです。現行版は令和4年9月28日告示第8号。その施行規則 第3条第7号アが、原材料名の書き方を決めています。

添加物以外の原材料は、原材料に占める重量の割合の多い順に記載すること。なお、分類名(穀類、いも類、でん粉類、糖類、種実類、豆類、野菜類、果実類、きのこ類、藻類、魚介類、肉類、卵類、乳類、油脂類)による表示も可能とする。

分類名は15種類。この中に「副産物」はありません。動物性の原材料は「肉類」「魚介類」「卵類」「乳類」のいずれかに入ります。

そして協議会が公開している「肉類」の定義がこれです。

新鮮な又は適切な方法により保存されてある哺乳動物・家禽類等の生肉、肉体部分、及びその加工物

例示として挙がっているのは「牛、豚、鶏、レバー、チキンミール、ポークミール等」。つまり生の鶏むね肉も、レバーも、チキンミールも、日本の表示上はすべて同じ「肉類」です。

ペットフード公正取引協議会が示す原材料の分類名と定義の一覧
ペットフード公正取引協議会が示す原材料の分類名と定義の一覧(pffta.org・2026-10-12時点の画面)
同じ鶏の同じ部位でも、国によって袋の書き方が違う 日本(公正競争規約) 分類名は15種類 「肉類」 括弧内に個別名を 書くのは任意 例:肉類(チキンミール) 「副産物」の分類名はない 米国(AAFCO定義) 用語ごとに定義あり Poultry Meal Poultry By-Product Meal Meat and Bone Meal 含む部位まで条文で区別 「by-product」の語が表に出る EU(FEDIAF) 法律で決められた括り表示 meat and animal derivatives 個別名で書く選択肢もある 「肉及び動物由来物」という 一語に丸められる 出典:公正競争規約施行規則 第3条/AAFCO 原材料定義/FEDIAF ファクトシート

ここが誤解の発生源だと思っています。英語圏の記事が「by-product meal は避けよう」と書く。それが日本語に輸入されるときに「ミール=副産物=避けるべき」と圧縮される。でも日本の袋には最初から「副産物」と書かれないので、翻訳された不安だけが残るわけです。

正直、部位まで書き分けさせている米国の定義のほうが、読み手にとっては親切だと感じます。 AAFCOの定義を並べてみると、その差がはっきりします。

AAFCOの用語 定義の要点(原文の該当箇所より)
Poultry(家きん肉) 家きんの肉と皮の清浄な組み合わせ。骨は有無を問わない。羽・頭・脚・内臓は除く
Poultry Meal 上記を乾燥レンダリングしたもの
Poultry By-Products レンダリングしていない清浄な部位。頭・脚・内臓など。糞便・異物は含まない
Poultry By-Product Meal 首、脚、未成熟卵、腸などをレンダリングして粉砕したもの。羽は除く
Meat と畜された哺乳動物由来の清浄な肉(骨格筋、舌、横隔膜、心臓、食道の筋肉)
Meat By-Products レンダリングしていない、肉以外の清浄な部位。肺・脾臓・腎臓・脳・肝臓・血液・骨、内容物を除いた胃と腸など
Meat Meal 哺乳動物の組織をレンダリングしたもの。血液・毛・蹄・角・皮片・糞・胃と第一胃の内容物は加えない
Meat and Bone Meal 上記に骨を含むもの

← 表は横にスクロールできます →

「meat meal は血液・毛・蹄・角・皮・糞を加えてはならない」と定義に明記されている。この一文を知っているだけで、「ミールには毛や糞が入っている」という話の受け止め方が変わりますよね。

なお、AAFCOのページ自体にもこう書かれています。「Although the USDA does not deem certain byproducts, such as udders and lungs, edible for human consumption, they can be perfectly safe and nutritious for other animals(乳房や肺など一部の副産物は米農務省が人の食用とは認めていないが、他の動物にとっては安全で栄養価の高いものになりうる)」。人が食べないこと=犬にとって価値がないこと、ではない、という整理です。

EUも似た立場です。FEDIAF(欧州ペットフード工業会連合)のファクトシートでは、腎臓・脾臓・肺・豚足・乳房・魚の加工残りなどを「an excellent source of protein, essential amino acids and other valuable nutrients(たんぱく質、必須アミノ酸、その他の有用な栄養素の優れた供給源)」と説明し、「meat and animal derivatives」という表示について「a term prescribed in law(法律で定められた用語である)」と書いています。同時に、獣医検査で人の食用適格と認められなかった動物由来の原材料、廃棄物、路上死体、病畜は使用が認められないとも明記されています。

生肉が1番目=肉が多い、とは限らない

この章でいちばん伝えたいのは、重量順は「工場に入れた時点の重さ」の順だということです。

施行規則は「原材料に占める重量の割合の多い順に記載すること」と定めています。ここで効いてくるのが水分。生の鶏肉はおよそ7割が水で、フードに焼き上げる過程でその水は飛びます。一方、チキンミールは最初から乾いた状態で計量されます。

「重量順」は投入時の重さの順。水分が入ったままカウントされる 生の鶏肉 100g を投入 水分 約70g 固形 約30g 表示上は「100g分」として 上位に並びやすい 焼き上げると水は飛ぶ チキンミール 30g を投入 固形 約30g (水分はすでに抜けている) 表示上は「30g分」なので 下位に沈みやすい 完成品に残る量は同程度 1番目に生肉が書いてあっても、完成したフードの中で最も多い成分とは限らない 出典:公正競争規約施行規則 第3条第7号ア(重量の割合の多い順に記載)をもとに作図

だから、原材料名の1行目だけで肉の量を比べるのは難しいんです。ここは「生肉ファースト」を掲げた表示のほうが、かえって読者を誤解させやすいと感じています。

面白いのは、規約がその点をちゃんと意識していることです。施行規則 第8条第2号ウは、不当表示の類型としてこう挙げています。

製品全体を指した「新鮮」、「フレッシュ」、「生」又はこれらに類似する表示

ドライフードは加熱して作るので、製品全体を「生」「フレッシュ」と呼ぶのはおかしい、という理屈ですね。「ミールは加工品だから怪しい」ではなく、「製品全体をフレッシュと名乗るほうが規約上アウト」。ここ、ひっくり返っていて面白いところです。

もうひとつ、規約第7条の「5%ルール」も押さえておくと読み方が変わります。

事業者は「ビーフ」、「チキン」、「まぐろ」等特定の原材料をペットフードの内容量の5パーセント以上使用している場合でなければ、当該ペットフードの名称、絵、写真、説明文等に当該原材料を使用している旨の表示をしてはならない。

パッケージ表面に鶏の写真が載っていて商品名に「チキン」と入っている。それが保証しているのは「5%以上」までです。10%なのか30%なのかは、この表示からは分かりません。

🏥 袋のどこを見ればいいのか

実物で確かめたほうが早いので、市販の総合栄養食の表示を見てみます。

日本ペットフードの「ビタワン 国産チキンのレシピ 成犬用」の原材料名は、公式サイトにこう書かれています。

穀類(トウモロコシ、小麦ブラン、ライスブラン、コーングルテンフィード)、肉類(チキンミール、牛肉粉、豚肉粉、チキンレバーパウダー、ビーフエキスパウダー)、豆類(脱脂大豆、おから粉末)、油脂類(ビーフオイル、パームオイル、オリーブオイル)…

日本ペットフード「ビタワン 国産チキンのレシピ 成犬用」の原材料名・保証成分表示
日本ペットフード「ビタワン 国産チキンのレシピ 成犬用」の原材料名・保証成分表示(npf.co.jp・2026-10-12時点の画面)

保証成分は「たんぱく質21.5%以上、脂質11.5%以上、粗繊維5.0%以下、灰分9.0%以下、水分10.0%以下」。原産国は日本、目的は成犬用総合栄養食です。

この書き方、規約の作法どおりです。分類名(肉類)を書き、括弧の中に個別名(チキンミール、牛肉粉…)を並べる。施行規則は「分類名の次に括弧を付けて、当該原材料の個別名を記載できる」としていて、これは義務ではなく任意。つまり「肉類(チキンミール、牛肉粉)」と書いてあるフードは、括弧を省略できたのにあえて中身を出しているということです。個人的には、この括弧の有無は品質そのものより「どこまで見せる気があるか」を測る材料として使えると思っています。

ビタワン 国産チキンのレシピを楽天で探す

もうひとつ、括弧の中の「等」「他」にも意味があります。施行規則には、栄養成分の調整などで一時的に変わる可能性のある原材料は「他」または「等」と表示できる、と書かれています。「肉類(チキンミール、牛肉粉 等)」の「等」は、手抜きではなく規約が認めた書き方です。

原材料の用語解説をメーカー自身が出している例もあります。ペットラインは、ミートミールを「牛や豚などの肉を加熱乾燥させて粉状にしたもの」とし、チキンのみならチキンミール、豚のみならポークミール、鳥肉なら家禽ミールと呼ぶ、と説明しています。

ペットラインが公開している、ドッグフードの原材料用語の解説ページ
ペットラインが公開している、ドッグフードの原材料用語の解説ページ(petline.co.jp・2026-10-12時点の画面)

袋の裏を見るときのチェック順を、表にしておきます。

見る場所 何が分かるか 分からないこと
目的(総合栄養食/間食/その他の目的食) それ単体で栄養が足りる設計か 個々の原材料の質
成長段階(幼犬期/成犬期/全成長段階 など) どのライフステージ向けに設計されたか うちの子に合うかどうか
原材料名の1〜3番目 投入時の重量が多かったもの 完成品での実際の比率
括弧内の個別名 メーカーが開示する気があるか 部位・原料の等級
成分(保証分析値) たんぱく質・脂質の下限、粗繊維・灰分・水分の上限 消化吸収されるかどうか
原産国名 最終加工工程を完了した国 原材料の調達国
事業者名・住所 問い合わせ先 —

← 表は横にスクロールできます →

「原産国=原材料の産地」ではない点は引っかかりやすいところです。規約では原産国を「最終加工工程を完了した国」と定義し、ラベル貼付・詰め替え・単なる切断・輸送用の乾燥や冷凍・単なる混合は最終加工工程に該当しないと明記しています。

公的資料から拾った、あまり語られない5つの事実

ここが本題です。ミール論争の外側にある、袋の読み方が変わる事実を並べます。

日本のフード表示は、法律と業界ルールの二階建て ペットフード安全法(国の法律) 農林水産省・環境省/全事業者が対象 義務は5項目だけ ① 名称 ② 原材料名 ③ 賞味期限 ④ 事業者名・住所 ⑤ 原産国名 原材料名の「記載順」は規定なし 成分・給与方法・目的の表示義務もなし 公正競争規約(業界の自主ルール) 景品表示法にもとづく/会員事業者が対象 必要表示は9項目 上記5項目+目的・内容量・給与方法・成分 原材料名は「重量の多い順」 分類名15種類・5%ルール・不当表示の類型も 違反時は警告・違約金・除名の手続あり 出典:農林水産省「ペットフード安全法 表示チェックシート」/ペットフードの表示に関する公正競争規約 第4条

① 「重量順」は法律の義務ではありません。 農林水産省の「ペットフード安全法 表示チェックシート」には、はっきりこう書かれています。「ペットフード安全法では、原材料名の記載順序は特に規定していませんが、消費者に対する適切な情報提供の観点から、多い順に記載することが望ましいでしょう」。多い順に並べる義務を課しているのは、法律ではなく公正競争規約のほう。これは地味に見落としがちで、規約に参加していない事業者の商品では前提が変わります。

② 「AAFCO認証」という表示は、規約上の不当表示の類型です。 施行規則 第8条第2号アは、不当表示の類型として「AAFCO(又はNRC)認定、承認、合格等、証明機関でないのに当該機関が自ら行う検査に合格したかのように誤認されるおそれがある表示」を挙げています。AAFCOは栄養基準を示す団体で、個別商品を認証する機関ではありません。同じ号のイでは「完全栄養食」「総合完全栄養食」という表示も類型に入っています。正しい書き方は「総合栄養食」まで、ということですね。

③ 「肉類」は「畜肉類」「家きん類」とも書けます。 同じチェックシートの注記に、「肉類」は畜肉に由来する原材料のみなら「畜肉類」、家きんに由来するもののみなら「家きん類」又は「家禽類」と表示できる、とあります。「魚介類」も魚類由来のみなら「魚類」。袋ごとに表記が違って見えるのは、この選択肢があるからです。

④ 処方を変えても「総合栄養食」の表示は続けられる場合があります。 施行規則 第4条第4項は、原材料の調達可能性や風味の変更などで処方を変えるとき、(1)タイプが同一、(2)適用される成長段階が同一かより要求量の低い段階、(3)原材料が同類で栄養・消化吸収性が同等、(4)たんぱく質・カルシウム・リン・亜鉛・リジン・ビタミンB1の分析値のレベルが同等、という条件を満たせば、引き続き「総合栄養食」として扱えると定めています。つまり、同じ商品名でも中身の原材料が入れ替わることはありうる。定期購入している人ほど、袋の裏を年に一度は見直す価値があります。

⑤ 数字の出どころには「いつの資料か」が効きます。 ペットフード安全法の成分規格(有害物質などの上限値)は省令で決まっていて、FAMICが公開している現行の表では無機砒素が2μg/g。一方、農林水産省が平成27年に作った概要資料では砒素15μg/gと記載されています。省令が令和3年4月1日付で改正されているためで、古いPDFの数字をそのまま引くと現行値とずれます。原材料の話とは直接関係しませんが、「公的資料に書いてあった」だけでは足りないことの実例として。

参考までに、市場のサイズも置いておきます。ペットフード協会の流通量調査によると、2024年の犬用フードの流通量は229,841トン、市場規模は1,863億円。国産品と輸入品を合わせた全体では国産318,781トン・輸入248,942トンで、輸入品が4割強を占めます。輸入フードでは「chicken meal」が「チキンミール」と訳されて並ぶので、この構図が続くかぎりミール表記は袋から消えません。

それでも「ミールは避けたい」と思ったときの線引き

規約の話をここまでしておいてなんですが、「気にしたい」という気持ちまで否定する気はありません。 情報が足りない原材料に不安を持つのは、むしろ自然な反応です。

Yahoo!知恵袋には、まさにその揺れが残っています。ある質問は「信頼できるメーカーが使用してる(副産物を使用してない)ミートミールに対して否定的になるべきですか?」と投げかけていて、ベストアンサーは「自分も全く同じ意見です」と同意しつつ、それほど生肉にこだわるならドライではなく手作りや準手作りのほうが筋が通る、と返しています。

別の質問は逆方向です。「原材料に、『チキンミール』が入っているのですが、商品の紹介ページには『畜産副産物不使用』と載っています。ということは、安全なチキンミールと捉えていいのでしょうか?」。回答は、副産物を使っていなくても人の食品基準を満たさない原料が含まれる可能性は残る、という趣旨で、言い切りを避けています。

どちらも、「表示からは分からないことが残る」という同じ結論に着地している。そこが実態だと思います。

そのうえで、判断の分かれ道はこう整理できます。

原材料に「○○ミール」がある さて、どうするか うちの子に食物アレルギーがある? ある ない 動物種が特定できる表記を 「肉類」だけの表記より 「チキンミール」のほうが絞れる 除去食は獣医師と相談のうえで ミール表記だけで外さない 目的・成長段階・保証成分と 体重の変化を先に見る 問い合わせ先の対応も材料になる 共通してできること メーカーに聞く 「どの動物・どの部位ですか」

アレルギーで原材料を管理している場合。 動物種が特定できる表記のほうが扱いやすいのは確かです。「肉類」とだけ書かれたものより、「チキンミール」と書かれたほうが、少なくとも鶏かどうかは分かります。ただし除去食の設計は自己判断ではなく、かかりつけの獣医師と組み立ててください。

特に持病がない場合。 ミール表記を理由に候補から外すより、目的(総合栄養食かどうか)、対象の成長段階、給与量、そして食べさせてみたあとの体重と便の変化を見るほうが、判断材料として使えると思います。

もっと知りたいときは、メーカーに聞くのがいちばん早いです。 WSAVA(世界小動物獣医師会)が2021年に更新した「Guidelines on Selecting Pet Foods」は、ブランドを見るときの質問として、栄養学者を雇用しているか、誰がレシピを設計しているか、原材料と最終製品の品質管理はどうなっているか、査読付き論文になった研究があるか、の4つを挙げています。ラベルで見るべき点としては、栄養充足性の記載、1gあたりまたは1食あたりのカロリー、すぐ連絡できる電話番号やメールアドレスの有無、誰が製造しているか。

そしてこのガイドラインには、「副産物やミールを避けること」という項目は1つもありません。 代わりに、こう締めくくられています。「If the manufacturer cannot or will not provide any of this information, veterinarians and owners should be cautious about feeding that brand(メーカーがこれらの情報を提供できない、あるいは提供しようとしない場合、獣医師と飼い主はそのブランドを与えることに慎重であるべきだ)」。

見るべきは原材料名の文字列そのものより、聞いたときに答えが返ってくるかどうか。今回いろいろ読んだ中で、いちばん実務的だと感じた基準がこれでした。

よくある質問 🐾

Q. 「肉副産物」と書いてあるドッグフードを見つけました。これは日本のルール違反ですか?

いいえ。規約が定める分類名は15種類ですが、個別名の書き方まで縛るものではなく、輸入品の翻訳表記などで「副産物」の語が使われることはあります。分類名だけで書くなら15種類から選ぶ、というルールです。気になる場合は、袋に書かれている事業者名・住所の連絡先へ、どの動物のどの部位かを問い合わせてみてください。

Q. 「4Dミート」が使われていないか心配です。

「4D」(Dead/Diseased/Dying/Disabled)という言葉は、今回確認した範囲では、公正競争規約にも施行規則にもペットフード安全法の省令にも、AAFCOの原材料定義にも登場しませんでした。制度上の用語ではないため、袋の表示から「4Dかどうか」を判定することはできません。一方で省令の製造方法の基準には「有害な物質を含み、若しくは病原微生物により汚染され、又はこれらの疑いがある原材料を用いてはならない」という規定があります。個別の商品について不安があるときは、メーカーに原料の調達基準を直接確認するのが確実です。

Q. ミールが入っているフードと入っていないフード、どちらがたんぱく質が多いですか?

袋に書かれた保証成分の「たんぱく質○%以上」で比べられます。ただしこの数字は下限値であって実測値ではなく、消化吸収されるかどうかも別の話です。数字が近いときは、給与量表(体重何kgで1日何g)まで見ると差が出ることがあります。同じ体重なら給与量が少ないほど、1粒あたりのエネルギー密度が高い設計ということになります。

Q. 国産と書いてあれば原材料も日本産ですか?

原産国名は「最終加工工程を完了した国」を指します。規約では、ラベル貼付、詰め替え、単なる切断、輸送や保存のための乾燥・冷凍、単なる混合は最終加工工程に当たらないと明記されています。原材料の調達国は別の情報なので、知りたい場合はメーカーに問い合わせてください。

Q. 今のフードを変えたほうがいいでしょうか?

この記事だけでは判断できません。持病があるうちの子、投薬中のうちの子、シニア期に入ったうちの子は、フード変更が体調に関わります。かかりつけの獣医師に、現在のフードの袋(または写真)を持って相談するのが確実です。

この記事のまとめ

  • 「ミール」は加工方法の名前。肉を加熱・乾燥して粉にしたもので、原料の等級を示す言葉ではない。穀類や豆類にもミールはある
  • 公正競争規約に「副産物」という分類名は存在しない。動物性原材料は「肉類」など15種類の分類名のどれかに入り、生肉もレバーもチキンミールもすべて「肉類」
  • 原材料の記載順を「多い順」と定めているのは法律ではなく公正競争規約。ペットフード安全法は記載順を規定していない
  • 重量順は投入時の重さの順なので、1番目に生肉があっても完成品で肉が最多とは限らない。商品名の「チキン」が保証するのは5%以上まで
  • WSAVAの選び方ガイドに「副産物・ミールを避ける」という項目はない。挙がっているのは、栄養学者の雇用、レシピ設計者、品質管理、研究の公開、そして問い合わせへの対応

次にやること: 今うちにあるフードの袋を裏返して、「目的」の欄を見てください。「総合栄養食」と書かれていれば、それ単体で栄養が足りる設計という意味です。そのうえで括弧の中に個別名が書かれているかを確認する。この2ステップだけで、原材料名の読み方はだいぶ変わります。

※価格・製品仕様・法令の数値は2026-09-11時点で確認したものです。省令や規約は改正されるため、最新の内容は各公式サイトで確認してください。

調べたもと(出典 18件)
  1. ペットフードの表示に関する公正競争規約(令和4年9月28日 公正取引委員会・消費者庁 告示第8号)ペットフード公正取引協議会・確認日 2026-09-11
  2. ペットフードの表示に関する公正競争規約施行規則(令和4年9月7日 公正取引委員会・消費者庁 承認)ペットフード公正取引協議会・確認日 2026-09-11
  3. 08.原材料について|表示の基礎知識ペットフード公正取引協議会・確認日 2026-09-11
  4. 公正競争規約に基づく必要表示事項及び表示制限についてペットフード公正取引協議会・確認日 2026-09-11
  5. 01.ペットフードの定義|表示の基礎知識ペットフード公正取引協議会・確認日 2026-09-11
  6. ペットフード安全法 表示チェックシート(平成28年6月)農林水産省 消費・安全局・確認日 2026-09-11
  7. ペットフード安全法の概要(平成27年2月1日)農林水産省 消費・安全局 畜水産安全管理課・確認日 2026-09-11
  8. 愛玩動物用飼料の成分規格等に関する省令農林水産消費安全技術センター(FAMIC)・確認日 2026-09-11
  9. ペットフードの製造・輸入業者届出手続き農林水産消費安全技術センター(FAMIC)・確認日 2026-09-11
  10. What's in the Ingredients List?(原材料名の定義解説)AAFCO(米国飼料検査官協会)・確認日 2026-09-11
  11. WSAVA Global Nutrition Committee: Guidelines on Selecting Pet Foods(2021年3月10日更新)WSAVA(世界小動物獣医師会)・確認日 2026-09-11
  12. Animal Proteins(動物性たんぱく質に関するファクトシート)FEDIAF(欧州ペットフード工業会連合)・確認日 2026-09-11
  13. ドッグフードの原材料は?表示を理解するための、主な原材料一覧ペットライン株式会社・確認日 2026-09-11
  14. ビタワン 国産チキンのレシピ 成犬用(原材料名・保証成分の表示)日本ペットフード株式会社・確認日 2026-09-11
  15. ペットフード流通量調査 結果(2024年 犬用フード流通量・市場規模)一般社団法人ペットフード協会・確認日 2026-09-11
  16. Yahoo!知恵袋「ドッグフードのミートミール(チキンミール等)は悪者?」Yahoo!知恵袋・確認日 2026-09-11
  17. Yahoo!知恵袋「ドッグフードのチキンミールについて」Yahoo!知恵袋・確認日 2026-09-11
  18. ペットフードの原材料「ミール」の正体を正しく知ろうペットフーディスト養成講座(一般社団法人日本アニマルウェルネス協会)・確認日 2026-09-11

価格や条件は変わることがあります。購入前に各公式ページで、体のことはかかりつけの獣医師にご確認ください。 調べ方と広告の扱いは運営者情報・編集方針に書いています。

同じカテゴリの記事